maro

狂武蔵のmaroのレビュー・感想・評価

狂武蔵(2020年製作の映画)
3.0
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:116/117
 ストーリー:★☆☆☆☆
キャラクター:★☆☆☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★☆☆☆☆

坂口拓と山崎賢人という『キングダム』の2人と、77分ワンカットという『1917』ばりの長さ。

この映画、実は9年間眠り続けていた未完の作品で、クラウドファンディングにより追加撮影を終え、ようやく公開の運びとなった模様。

77分ワンカットの殺陣はね、、、すごいよ。。。
これ、リハなしで即本番だったそうで。。。
映画としてよりも、77分間ずっと動き続ける体力がすごいと思った。
それは、主人公を演じた坂口拓もそうだし、それにずっとくっついてたカメラマンさんもそうだし。

いつ終わるかわからないマラソンをずっとやっているかのようで、観ているこっちが息切れしそうだった。。。
これは坂口拓あっての映画だね。

でも、評価が低いのには理由がある(笑)
それは、ストーリーもキャラクターもほぼないに等しいから。

一応、忠助が宮本武蔵への復讐に燃えるっていう設定はあるけど、忠助の出番は最初と最後だけで、映画全体の8割以上を占めるワンカットのチャンバラシーンは宮本武蔵によるもの。

そこがね、セリフもなく、ただひらすら斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬りまくるのみ。
しかも、長時間のアクションに備えてなるべく体力を温存できるようにするためか、派手な動きは抑えつつ、いくつかのパターンを繰り返し使っているだけなんだよね。

また、400人も役者がいないから、斬られた人がまた別のシーンで復活して襲ってくるっていうことで、同じ構図がずっと続くから正直変化に乏しい。
血も使えないからCGになってて、返り血もほとんどない。
あと、ちょうどいいところに給水ポイントと替えの刀が置かれていて、もはや映画というよりチャンバラマラソンって感じだった(笑)

77分ワンカットのチャンバラってのはものすごいチャレンジングなことで圧倒されるけど、映画として面白いかというとそれはまったく別の話。
見た目的には、このワンカットのところよりも、ラスト5分で行われた河原での戦いの方がもっとずっとかっこいいなって思った。

基本的にどの映画でも戦いのシーンは好きだけど、鑑賞するという前提に立つならば、ただ長ければいいってもんでもないってのを痛感したなー。

なお、タイトルの読み方は「きょうむさし」ではなく「くるいむさし」です。
maro

maro