ぬーたん

メイジーの瞳のぬーたんのレビュー・感想・評価

メイジーの瞳(2012年製作の映画)
3.8
公開時に鑑賞した時は、腹が立って仕方なかった。自分勝手な親、仕事を優先する親、離婚したらさっさと再婚する親。メイジーの瞳にそれはどう映ったのか、考えるだけで泣けて来たのだ。それを6年振り位に観たら、ちょっと感想は変化したなあ。確かに無責任で、子供を夫婦の主導権争いや自己満足に利用しているとも思える自己中心的などうしようもない親、ではあるが。ハグして『愛してる』と言葉だけで行動が伴わない親ではあるが。でも、メイジーの瞳、悲しげではあっても、ヤレヤレ仕方ないなあ、みたいなそんな風にも見えて来た。この父、母、其々の再婚相手、誰もが無責任でありながら、メイジーに対する愛情はしっかりと持っている。この幼い6歳の子供には理解出来なくても、その瞳で記憶した4人の涙や微笑みはいつか、成長した時にどんな感情になるのだろう?
メイジー役の少女オナタ・アプリールちゃんは満点の演技。4歳から演技しているという。健気で素直で可愛くて、美しい瞳。将来は美人さんね。
母スザンナをジュリアン・ムーア。高齢出産?メイジーの母親にしては歳が行き過ぎ😅ロックグループのシンガー役もちょっとイメージ違うし。でも演技力で全てカバー。最後はロックの似合う女に見えて来たよ。さすがだね。
メイジーへの愛は深いが、メイジーのために誰かに頭を下げてお願いすることも出来ない。表現も生き方も下手で、嫉妬深くプライドが高い。面倒な女だね。でもシンガーとしての実力はあるようで、案外こういうタイプ、音楽や芸術家に多いのかも?自分自身を抑えることも難しい、自分を御することすらも出来ない女性だ。
父ビールにスティーヴ・クーガン。大好きな俳優。だからという訳ではないが、この役はミスキャストだ。スティーヴはコメディが得意でこんな嫌な父親役は向いていない。ただ、性格が気分屋でいつも忙しいという設定は彼っぽいが。彼もまたメイジーの父には年齢が行き過ぎているね。娘への愛より自分の仕事が優先なのは、昭和お父ちゃんもそうだったかも。
ベビーシッターで父の再婚相手のマーゴにジョアンナ・ヴァンダーハム。美味しそうな名前!金髪で若くて美しい。完璧な美女。何でパパさんとくっついたのかな?いや、クーガン好きだけどさ。家政婦やベビーシッターと不倫ってよくあるパターンだけどね。マーゴは優しくて可愛い。
母の再婚相手リンカーンにアレキサンダー・スカルスガルド。父はステラン、弟2人も俳優。スウェーデン生まれで長身金髪。ヴィゴやマッツ、ニコライ・コスターなどと雰囲気似てる。北欧系イケメンはみんな似てるなあ。こんな継父ならすぐに好きになっちゃうよ。何であのママさんと結婚?金目当てと思ったら良い人だったし仕事もしてるし。でもやっぱりマーゴとの2ショットは金髪美形同士で絵になるね。
虐待するわけでもなく、施設にいれたり里子に出すわけでもない。むしろ相手への意地ではあるだろうが親権取り合ったくらい。でもメイジーの傍に居て一緒に過ごしたい、と心の底で願っているはず。自分の都合優先だけどね。
今回はメイジーの瞳だけでなく、其々の、父母再婚相手の瞳を通して作品を観れたような気がする。
メイジーの洋服、其々の家のメイジーの部屋とぬいぐるみやおもちゃたち。十分な経済力でお姫様扱いされている。物ではないけど、客観的に考えればそれは大事にされている、ということ。
メイジーがもう少し大きくなったら、今日一緒に過ごすのはアンタね、アンタは次よ、と逆に指名したりして(笑)そうだ、そうしちゃえ~。
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