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ヒステリアのクリームのレビュー・感想・評価

ヒステリア(2011年製作の映画)
3.6
バイブレーター誕生の秘話と女性解放運動を織り交ぜたロマンチックコメディ。
女性監督ならではの描写と色気の無いマギーのお陰で、何故か全くいやらしくありません。エロさ皆無です。
19世紀末のイングランド。青年医師モーティマーは、女性のヒステリー治療器具として、『電動バイブレーター』を発明する。当時の社会状況をふまえながら、知られざる史実がコミカルに描かれる。



ネタバレ↓




女性特有の病気·ヒステリーを治療するダリンプル医師の診療所。そこで行われていた治療が、なんと患者の性器をマッサージし、オーガズムに導く事で、欲求不満を解消させるという性風俗っぽい嘘の様な治療。当時の女性は抑圧されストレスフルな状態でした。それを医療によって解放しようとしたモーティマー。そして女性解放活動をする事で解放しようとしたシャーロット。 そんな2人が最終的に惹かれあう。ラブストーリーの部分に関しては、かなり無理矢理な感じがしました。
ヒステリーと呼ばれる女性特有の病気が蔓延していた時代。モーティマーはダリンプル医師の元治療に励み腱鞘炎になります。そこで、親友で発明家エドモントの協力で、電動のマッサージ機を発明するに事になったのです。これが、世界初のバイブレーターの誕生秘話。
シャーロットは、1800年代、女性の権利がほぼゼロな時代に、女性の自立を訴える超革新的な女性。多額の借金をしながら、低所得者のためのシェルターを運営したりしていた。
2人とも女性解放という目的は、一緒。だけど、ラブストーリーとしては、最初から意識はしていても進展する気配はなく、モーティマーは、シャーロットの妹と婚約したりしていて、ちょっと唐突でした。
エンドロールで流れるバイブレーターの歴史が面白かったです。初期の頃はまるで工業機械。そんなイカツい機械を使って大丈夫なのか?と思ってしまうレベルだった。
また、ヒステリーの症状が改善されない者は、子宮を摘出すると言う恐ろしい治療も使われていたらしい。
1952年ヒステリーは医学用語から抹消され、携帯用マッサージ器は健康用品として販売されました。
誕生秘話だけで、十分楽しめる作品なのにとって付けた感じの恋愛は、要らなかった気がします。それなりに楽しめましたが…。
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