ちろる

ヒステリアのちろるのレビュー・感想・評価

ヒステリア(2011年製作の映画)
3.6
ヒステリーは、古代ギリシャ語で「子宮」のことを指すらしい。
まだ精神病や脳の事が解明されていなかった古代ローマ時代は、ヒステリー症状が女性の子宮の痙攣不足、所謂「性的欲求不満」によるものだと考えられていたらしい。
それ故に、このヒステリー治療が医師による子宮、性器のマッサージだったというから驚きなのだ。
主人公で若き医師のモーティマーが採用されたのがこのご婦人たちの精神的な悩みを解決するダリンプル医師の助手としてのお仕事、イケメンで若い医師がマッサージ担当となった事で患者数が増えてしまうという、なんとも笑っていいのか微妙なシーンもあるのだけど、この作品のテーマは至って真面目なアダルトグッズ「電動マッサージ器」の誕生秘話と、それと並行して描かれる女性解放の物語。
ダリンプル医師の長女であるシャーロットが、貧しい地区の女性たちを助ける活動に勤しんでいるパートと、モーティマーが治療のしすぎで腱鞘炎になってしまったことからマッサージ器の開発に勤しむパートは平行線のように描かれるのだけれど、そこから何故だかシャーロットとモーティマーとの交流と交差していく。
たしかに人間としては、シャーロットがとても魅力的だし、貞淑な美女の妹エミリーも捨てがたいし・・・どうするんだ?モーティマー?と思ってたら結構前触れもなく乗り換える展開、、おい急だなぁ。
今やアダルトグッズとして名高いマッサージ器が実は女性の精神病の治療器具であり、まじめにそれを解決しようと取り組んでいた人がいた。
なかなかこれを映画館で観に行く勇気は無かったからU-NEXTで観られたのは良かったけど、あの貞淑なエミリーが使うシーンを男子たちはあらぬ想像で楽しんでるに違いない。
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