TAK44マグナム

チレラマ CHILLERAMAのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

チレラマ CHILLERAMA(2011年製作の映画)
4.0
バカの真髄!


チレラマ!
それは「グラインドハウス映画って、下らなくてオゲレツで、頭がおかしいのばっかりやってたよな〜!よっしゃ、懐かしいから自分たちでつくっちゃおうぜ!」とばかりに、飲み屋に集まってくっちゃべっていた4人の監督が「やんべ、やんべ♬」と、各々一編ずつ持ち寄ったオムニバス映画であります。
(↑妄想ですが)


閉鎖が決まっているドライブインシアターの最後の夜、オーナーは「あまりにもバカすぎて半ば都市伝説と化していた4つの短編」を上映することにします。
最後だっていうんで、地元のボンクラどもがビールでもかっくらいながら観てやろうと、それまでになく集まってきていました。
最初から観に来てやっていれば潰れなくても済んだのに、まあ世の中そういうものですよね。

どこかロジャー・コーマンとウィリアム・キャッスルを足して2で割ったような風貌なのに名前はカウフマンというオーナーの場内放送に続いて、いよいよ伝説の映画の1本目が上映開始!


「精子怪獣ワジラ」!

映画の世界では、ありとあらゆるものが怪獣化されてきましたが、ついに精子までもがドーピングで巨大化!
凶暴なオタマジャクシ怪獣と化した精子が街を襲撃!
最後はみんなで仲良く顔射!
その名もブッカケ将軍というまんまな役名で、エマ・ロバーツのお父さんが何故か出演!
娘どころかジュリア・ロバーツもきっと泣いてるぞ!


・・・普通こんなの観させられたらブーイングの嵐だと思うのですが、さすがボンクラか観客たちです。何の騒ぎも起きずに、呑気にポップコーンなど買ってます。
続いて2本目!


「ヤング・クマ男の絶叫」

ゲイなのに自分をゲイだとは認めたくない主人公(演じている役者さんはモノホンらしい)の前に、夏でも革ジャン着ているイケメンが現れます。
このイケメン、実は熊男!
「おまえも本当の自分になれ」とケツに噛みついてきます!
コーフンすると、狼男ならぬ熊男に変身して変態オヤジをバラバラにしたりする、そんな映画がまさかのミュージカル!
事故って頭がグチャグチャになった後はずっと気が狂っているガールフレンドが素敵!


・・・オープニングで、ゾンビ?に睾丸を噛み千切られた従業員が自らもゾンビとなり、シアターに不穏な空気が流れ始めます。
が、そんなことはおかまいなく3本目がスタート!


「アンネ・フランケンシュタインの怪物」

アンネ・フランクのおじいちゃんは、かの有名なフランケンシュタイン博士だった!という大胆かつふざけた設定がまずバカ!
フランケンシュタインの怪物を再現して連合軍どもを殲滅しようと企むヒトラー総統はアンネと家族を襲い、死体蘇生について書かれた日記を奪います。
そして、虐殺したユダヤ人の死体を使って人造人間をつくりだすことに成功しますが、ユダヤ人を使ってしまった為に・・・?
巨漢の人造人間を演じるのはジェイソン役で有名なケイン・ホッダー!
さすがの説得力ある殺戮っぷり!


・・・上映中もゾンビがどんどん増えてきて、さすがに周囲もざわつき始めます。
サブリミナル効果でトイレにいきたくなるという曰く付きの4本目を上映中、ついにシアターが本物の地獄と化しちゃいますぞ!


「大便がいっぱい」

タイトルどおり、ウンコがたくさん出てくる、ウンコ尽くしな短編!
ほとんどウンコをしているところしか映りません!
みんな笑顔でウンコしまくり!
画家も何描いてるんだと思ったらキャンパスに描かれたそれはウンコだったりします!
スカトロマニアには堪らない、世界一ウンコをリスペクトした映画でしょうが、いまにも臭ってきそうでそっちの方が堪りませんよ!


・・・などという、ふざけるにも程があるお下品超大作の途中で、現実にゾンビ軍団がご登場!
ウンコの映画など観ている場合じゃなくなった主人公カップル?はオーナーから銃を託され、なんとか車で脱出しようと奮闘するのですが・・・

決して美人さんじゃないけれど、カップルの女子の方は不思議とキュートな魅力がありましたね。

完全武装でゾンビを撃ちまくるオーナーも格好いいクライマックスは、ゾンビどもがそこらじゅうで喰ったり犯したり(何故かエロゾンビになる)、ゾンビ映画らしく破茶滅茶でグログロ!
そこからは、「あ〜、なんだこれ」と言うメタ・フィクション的な展開があったりして、最後の最後まで人をくったバカバカしさに感動して涙がでそう!

・・・うん、まぁ、出なかったけどね。
こんちくしょう!面白かったよ!


しかし、ドライブインシアターって日本にも以前はありましたが現在はどうなんでしょうかね。
野外にスクリーン張って、車で集まって車中で観る。
音はラジオからっていうシステム。
アメリカで盛況だった頃は、それこそエログロなのを上映して車中ではカップルがそれ観てナニを始める・・・というのが一般的なドライブインシアターの使われ方だったんじゃないかと思うのですが、日本はもっとお上品だったでしょうね。
以前は近くにもドライブインシアターあったんですけれどね。
昔の友達が付き合いたい彼女をタイタニックか何かを上映するってんで、大磯のドライブインシアターに誘ったという話を聞かされたんですが、デートの結果がどうなったのか知らないので今でもちょっと気になっていますよ(苦笑)


NETFLIXにて