じょり

遥かな町へのじょりのレビュー・感想・評価

遥かな町へ(2010年製作の映画)
4.0
①アイデンティティ再発見度 70%
②帰省して地元の駅に降りた時の感覚度 90%
③原作でもこんなシーンあるのか知らないけれど、谷口先生0.5秒ご降臨シーンのココしか出演できるとこなかった苦渋度 128%(Why出演?^^;)

「映画」を楽しむというより「映画を見て過ぎ行く時間」を味わうようでした。そう、他人のひと夏の思い出を垣間見た気持ちです。

絵になるフランスの夏の田舎の風景、この落ち着いて変わらない景色も作品の趣旨を伝える大切なパーツの1つですね。終始静謐な雰囲気が寡黙な登場人物たちの心理を浮き彫りにして退屈しません。

おっさんが少年時代にタイムリープという、ステレオタイプに陥りやすいテーマだと思いますがよく表現できてるというのが第一感でした。ある程度分別のついた大人が子供の時の外見に戻り何十年も前の我が家で暮らし、母親に父親の今後を伝えようとするシーンが非常に切ない、、、家族あるいは母親のために伝えようとしてるつもりなんですが、信じてもらえなくて痛切。わがままというか自分自身のためであり更に痛切。母親役のA.M.ララが美しすぎて目の保養かつファンタジーな空気をより強くしてました。
社会的には正しく成功してる主人公トマ、よくがんばったなぁ😭

歳を取るほどに理解度が高まる鑑賞となるであろう、帰宅後の晩酌のごとく疲れた体に沁みる作品◎
じょり

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