TAK44マグナム

シー・トレマーズのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

シー・トレマーズ(2010年製作の映画)
2.5
あの「ストリートオブファイヤー」のマイケル・パレ主演、そして監督は何と「死霊のしたたり」のブライアン・ユズナという最強タッグによって生み出された最強に下らない海洋モンスターパニック映画。

太古の海サソリが地震の影響で現代に蘇り、海上に建った小さな漁業場を襲うという、なんともしょぼくれたB級感が香ばしい一品です。
海サソリのデザインが、水中の生物なのに殆どまんまサソリなのは如何なものか?とちょっと疑問でしたが、思ったより暴れまくるのは好感が持てましたよ。
途中まで、尻尾の毒針しか出てこないのかと思っちゃいましたから。
しかし、クライマックスでドドーンと全身が登場して、マイケル・パレと戦う場面なんかは合成丸分かりで、なんだか「魔獣大陸」を間違って観ちゃったんじゃないかと思うぐらい古臭かったです(汗)
これ、一応、日本で公開されたの13年ですよ(製作は10年)。
というか、よくこれが劇場公開され、あまつさえAKB呼んで公開記念トークショーやったなあ、と驚きを禁じえませんが・・・

まあ、合成丸出しなのは、この映画が本来3D映画だからってのもあるんでしょうね。
3D向けの演出が多々あって、アングルや撮り方も意識しているのは分かるので、3Dで観たらもっと楽しめるのではないかと思います。最も、日本ではブルーレイさえ出ていないので無理でしょうが・・・

それにしても、マイケル・パレの精彩の無さは半端ないですね。「ストリート~」と「フィラデルフィア・エクスプリメント」がピークで、その後の急降下具合が凄いですから。
「コンクリート・ウォー」なんて始まって20分で寝ましたよ。
しかし、動きがかったるいのでアクションシーンを見ているのが辛い。オレのマイケル・パレを返せ!って感じですよ。

海サソリを倒す作戦のデタラメさにも仰天。
そんなアホな!と誰もが思う作戦をマイケル・パレはあっさりと了承して実行にうつします。
そういえば、クライマックスになってようやくマイケル・パレは駆けつけてくるので、それまで他の皆が襲われている時は高みの見物で何もしていないのも凄いですよね。
どちらかというと女性学者の方が主人公なのでマイケルは脇役なのかもしれませんが、ここまで話に全然絡まないとは観る前には想像もできませんでしたよ(苦笑)

今時、こんな映画はDVDスルーでレンタル店にたくさん並んでいますが、何ともトホホな時代錯誤感!
でも、良いところもありました。
適度なゴア描写があって、ちゃんとモンスターパニック映画の形にはなっていますし、漁業場が襲われて、マイケル・パレが助けに来るところまでは割と面白かったような気もします。
毒液で溶けちゃったり、身体が真っ二つになったり、こういうのが好きなら大好物なゲテモノシーンが楽しめましたし、嫌なキャラクターが全力で痛い目にあうのは「ざまあみろ」って感じでスカッとしました。
しかし、いざマイケル・パレがやってきたら、とんでもなくグダグダになってしまったという・・・もう少し何とかならなかったのか、マイケルよ!!

冒頭のカップルの場面も掴みとしては間違ってなかったなあ。
Youtubeなんかで良く見るフェイクムービーみたいで楽しい。

結局、呪術って何なの?ってのが疑問でしたが、ブライアン・ユズナもあまり深くは考えてなかったんでしょうね、きっと。