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きっと、うまくいくのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)
4.4

魔法🎬

ストーリーはインドの名門大学に通う主人公たちが突然失踪したランチョーの謎を10年という歳月をかけ解き明かす姿を描いた作品でした。今作は深く考えることがバカバカしくなるような作品であり、自分の好きなことにとことん向き合おうと思えました。

観る前は正直インド映画って踊ってるだけの映画っていう偏見を持ってました。今作も確かに踊りはありましたが、それだけではありませんでした。馬鹿にして申し訳ございませんでしたっていうのが率直な感想です。感情が大渋滞しました。この映画は「喜怒哀楽」がとても早く切り替わり、楽しいシーンの次でとても悲しいシーンが出てきたり、深刻でせっぱ詰まっているシーンでも笑いを入れたりします。観客をひとつの感情に縛り付けず、感情をとても刺激してくれました。特に最後の最後、見事すぎるオチは全く読めず、痛快すぎて大爆笑・大感動です。

とにかくすごいいい作品でした。青春の塊のような作品てんした。ストーリーはファルハーンとラジューそしてランチョーの3人の学生時代の出来事を描く作品です。ランチョーに出会って、ファルハーンとラジューは友情を育みながら、自分たちの行き方を模索していきます。そんな彼らの青春を存分に謳歌する姿が羨ましく愛おしくてたまらなかったです。青春には波乱があり、恋愛があり、友の死があり、そして競争があり、今作には全てが詰まっていました。

競争でいう観点でみると、インドの教育や社会問題が大きなテーマになっています。インドは数学やITに強い国として名高い反面、学業における競争意識が学生たちを苦しめて、世界でも自殺者の多い国として名を馳せています。ちなみGoogleのCEOもインド出身です。そんなお国柄もあり、昨今のインドの教育事情に苦しむ若者の姿も描かれていました。

また教育のあり方、生き方だや価値観など深いテーマに触れており、日本でも通ずるものがあるものばかりでした。数字とか値段とか順位とか、そんなものにばかり目を取られて生きていませんか?というメッセージも強く、異国の話…ではなくとても身近に感じました。青春モノという言い方はふさわしくないかもしれませんが、青春要素の強い作品はいつ観てもその時代の自分に立ち返ることができる気がします。初心に戻ることも大切なことかもしれません。何か壁にぶち当たった時、就活など何かの選択に迫られている時に観たい作品ですね!"きっとうまくいく"この言葉は魔法の言葉かもしれません。「楽しい」をみつけたいのなら、人は夢中でなくてはならない。取り繕ったり、格好ばかりを気にしていたら、心の底から「楽しい」と思える瞬間はやって来ません。逆に「楽しい」と思う時、私たちはまわりの目線を気にしているだろうか。いつだって笑いたいように笑い、よくわからないけどあふれ出てくる涙を流しているのではないでしょうか。よく笑い、よく泣くこと。それが人生を楽しむ方法のひとつだとするなら、私もこの映画を観た時のように笑ったり泣いたりすることをもっとためらわないでいたいです。心のままに笑い、心のままに涙が流れる人生を生きたい。そう思えた作品です。
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