長い、歌う、踊る。
なるほど、これがインド映画か!!
2009年の公開当時、インド映画歴代興行収入1位。
評判も上々でずっと気になっていた映画。
原題は「3バカトリオ」とでも訳したらいいかな?邦題の「きっとうまくいく」は劇中繰り返される魔法の言葉、'Aal Izz Well'='All is well'を訳したもの。
インドの工科大学を舞台に、ランチョー(アーミル・カーン)とファルハーン、ラージューら3人の友情を10年後の現在と過去の回想とを織り交ぜながら描く青春劇。
3バカとは言え、ランチョーだけは天才肌。
「人生は競争」と焚き付ける学長に事あるごとに盾突き、悪戯三昧。工学、機械をこよなく愛し、自由奔放。時折、彼の人生哲学にはハッとさせられる。
この映画が魅力的なのは、すなわちランチョーの人間的魅力が際立っているからに他ならない。
こういう人、いる。
いわゆる「人たらし」。
本人は全然その自覚はないのに周りの人間を惹きつけて、時には振り回して、誤解も受けて敬遠されたりもするけれど、最後には誰からも認められる。
何せランチョーが素敵でした。
ある者は貧しい親が苦心して学費を出してくれて、ある者は自分の夢を諦めて、ある者は生まれたその瞬間から親に進路を決められて、それぞれが親の期待に応える為にエンジニアを志す。
インドの教育問題や学生の自殺率の高さにもメスを入れたかと思いきや、歌って踊っているんだから、いやはや天晴れである。
インド映画は色とりどりのサリーが舞うかの如く、色んなテーマで彩られている。
大学を首席で卒業したランチョー。
そんなアイツに10年振りに会いに行く。
音信不通になっていたアイツは今何処でどうしているんだろう?
ランチョーの本当の素顔に迫る後半もサスペンス的展開で楽しめる。
本当にバカバカしくもあり、映画のテイストとしてはくどいし、クセが強め。3人の友情を面白可笑しく描きながら、それでも最後には爽やかな風が吹く様な素敵な映画。
めっちゃ好きとまでは言えないけど、なるほどインド映画の楽しさは伝わった!
ピンチの時は胸を撫で下ろしながら呟こう。
「うまーくいく」
「うまーくいく」
きっと、乗り越えられる筈!