しゃび

きっと、うまくいくのしゃびのレビュー・感想・評価

きっと、うまくいく(2009年製作の映画)
2.0
人は流されやすい。
家庭環境、文化、ルールを当たり前のことと理解して、それに従って生きがちだ。
でもそれでは人生はつまらない。

本質的なことは何か。

学校は競争の場ではなく学びの場。
友達はライバルではなくかけがえのない仲間だ。
禁欲の殻から抜け出して楽しいと思うことをしよう。

時にはルールを破る時だってあるし、良俗に反することだってする。それが人生ってやつだ。


うんよく分かる。

分かるけど、それって凡庸な人間でも言えることなのかな。才能がないからこそ権威者におもねたり、ルールの枠の中でもがき苦しんだりするのではなかろうか。神に導かれし善人のみが救われるというのは、信心深くない僕にはピンとこない。

インド映画のあっけらかんとした良い部分が、自分には胸落ちせず、あまり好みの映画とは思わなかった。

でも、主人公のアーミル・カーンの演技はとても好きだ。不器用な表情かうまいので、一見俗世に降りた神のような存在にも人間味を帯びてくる。

インド映画は長いのでほとんど観ないのだけど、このノリはインド映画のスタンダードなのだろうか。あまり面白くない笑いに音楽を加えるので、入っていけないところが多々ある。ボリウッドダンス自体は素敵なのに少しもったいない気分になった。



【ネタバレ】
ラストのイメージが良かった。
学校がアミューズメントパークのようになっている。そこで立ちションベンをしていたら子供にイタズラをされる。ファンタジー映画のセットの中に紛れ込んだような雰囲気は気持ちがいい。

最後のシーンは山に囲まれていたので湖なのだろうか。そこに花嫁がスクーターで突っ込んでくるという滑稽さも、清々しかった。


ランチョーが社会的にも成功者になっていて、何から何まで勝ち組なラストは好みが分かれそう。
僕は好きではないかな。
しゃび

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