Ryoma

ブリングリングのRyomaのレビュー・感想・評価

ブリングリング(2013年製作の映画)
4.0
ソフィアコッポラ監督の他作である『somewhere』とは打って変わって、嫉妬や自己中心さ、裏切り、憎悪など人間の負の部分を痛いほど感じる作品。芽生えた羨望や憧れの気持ちは、良い方向に活用できれば、自分の人生を輝かせてくれる原動力になるけれども、逆にそれがすべて妬みに変わっていけば、いくらでも悪い方向になっていき、やがてそれは悪循環に陥り堕ちるとこまで堕ちていくのだと痛感した。望んだものが手に入ればより過激なものを求めてしまう、求めれば求めるほど狂い自分を見失ってしまい、周りが見えなくなっていく…。人間の欲望は際限ないのだと改めて。
危なげで覚束なく、良い方向にも悪い方向どちらにも容易に傾いてしまうほど不安定で脆い10代の心を痛いほど感じさせるハラハラ・ヒリヒリするEDM調のダンスミュージックなどの音楽がシーンに合っていて、より彼らの欲望がヒートアップするのが窺えた。環境は
実話に基づいた事件を題材にすることで、観る者に対して教訓にしてほしいと訴えかけているかのような、ソフィアコッポラ監督の意図が窺えるようだった。引き続き他の作品も観ていこう!
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