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ブリングリングのmotoietchikaのレビュー・感想・評価

ブリングリング(2013年製作の映画)
3.7
はみ出し者の少女たちがセレブ宅でブランド泥棒。
みんな悪意や罪悪感が特になく、バレたら困るという意識だけが徐々に膨らんでいく。

ドラマとしてはほとんど何かが起きるわけでもなく、結論は最初から明示されている。注目すべきはそれぞれの人物の描写だろう。

一番好きなのはエマ・ワトソン。こいつはかなり面の皮が厚く、事件が起きても平然と「事件に巻き込まれてしまいましたが、これは私にとっての人生の関門なのだと思います。これを機に、より世の中のためになることを~」みたいにぺらぺらTVの取材で喋ってお涙頂戴。
こいつは強い。

グループの中にはセンスのない子も普通にいて、ファッションも微妙にダサいというのがいい。彼女にとってはブランドものはおしゃれで素敵なものである以上に、ただの「憧れ」にすぎない。

みんな色々な劣等感を抱えていて、それを昇華するための強盗。きっとそれは別の何かでも良かったはずのマクガフィン。だからこそ悲劇なのですが、それを淡々と綴るところが好き。
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