JIZE

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命のJIZEのレビュー・感想・評価

4.1
ブロマンスな全三部構成を軸に非情な"因果の連鎖"を通じ運命が駆け巡る優美な秀作!!宿命を名に第1部と第3部で韻を踏み輪が閉じる構造を賞賛!!第1部のバイクチェイスと第2部の汚職事件で回帰を遂げる第1部の返歌も!!第3部で重役を背負うデインデハーン全芝居を喝采!!トンデモない映画であった..開幕からライアン・ゴズリング演じる主人公ルークが荒い息遣いにバタフライナイフ音を俊敏に響かせ彼の後ろ姿を画面が長回しに追尾しバイク前でようやく対象が転回..後々の深刻な事態に備え威圧的な圧迫感を衒う。事態の閉塞感や不安程度は勿論,因果応報な循環と解放の適度な反復加減も実に趣があり唸った。監視前は政治的な背景が錯綜し欺瞞的な汚職を巡る話かと思っていたが..そもそも原題『The Place Beyond the Pines』とは"松林の向こう側"を指し要は"因果の連鎖を断ち切る場所に辿り着く"という暗喩。まさに美的で寛容な由来である。まず話を簡単に要約すれば"世代を越え因果が繋がる"話。構成的に第1部から第3部に掛け丸味を帯びる骨格も駆け足気味で数珠繋ぎに交錯し運命であり宿命な道標。更にその3部構成を咀嚼すれば。第1部ではライアン・ゴズリング演じるならず者物な序盤。第2部は警察側の汚職警官物な中盤。第3部は因果を巡る..な終盤,と単体で観ても別の映画or世界観を彷彿とさせ極端な時間軸の推移による潤な色褪せを彼等の様々な想いを乗せ人情的に映し出す。事態の暗部と希望を享受し歩き始める明部の対比が実に優美で深みを帯びた。父親のバイクと息子の自転車が徐に重なり惹かれ合う清新な投影感も観ていて軽快で救い価値なき復讐譚で幕が閉じなかった事自体が結果的に優秀。

概要。自分の息子を養う為,犯罪に手を染めるバイクレイサーと彼を追う警官,2人を巡る因果が15年後彼等の息子たちに引き継がれていく様を描く。監督は『ブルーバレンタイン(2011年)』のデレク・シアンフランス。主演は『オンリーゴッド(2014年)』のライアン・ゴズリング。共演にエバ・メンデスやブラッドリー・クーパー等が名を連ねた。

第1部の壮絶なインパクトが第2部と第3部に拍車を掛けなだれ込み見事に酌量価値ある善な立ち位置で仲介し中和され運命を自動的に享受する世代を越え因果に導かれる話ではあるんだけれども,微妙に浮き彫り化してく葛藤と両者が理解し合い事件が幕を閉じる解放感は親和的で有終の美すら彷彿とさせた。デインデハーン演じるジェイソンが終盤の森場面である人物に拳銃を向ける場面でも神話的な旋律にあの構図という映画が人物に希望を託す演出なのか特に第3部で多用され事からポジティブな暗喩を享受でき音楽面の明白な位置関係を劇中に多く忍ばせ映像で魅せ移ろう雰囲気は最高。ライアン・ゴズリングの輝く第1部が後々の章に郷愁的な余韻を残し因果事態な構図がなだらかに丸みを帯び話の輪が閉じていく。また序盤バイクチェイスの場面でアドレナリン全開な加速する雰囲気も空間を広大に地理感を狭め緻密なバランス加減が最高に唸った。だから,物語の全三部構成を取る抑揚の右下がり感はともかく,映画的な構成,演出,音楽,編集は職人的な切れ味を残し疾走感ある映像体験をお勧めです!!