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プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命のarchのレビュー・感想・評価

4.7
落ちていく人々、その落下の引力は父から子へと継承していく。憎しみで結びついたふたつの家族。その連鎖を断ち切れるのか。過去を振り切って生きていけるのかを描いた重い一作。

三幕構成でそれぞれライアン・ゴズリング、ブラッドリー・クーパー、デイン・デハーンと観客を引きつける存在が中心にいて、特にダークな雰囲気に統一感を与えるキャスティングで素晴らしかった。
一幕ではライアン・ゴズリングの迫力ある演技が実に効いていて圧力の凄い物語になっていた。
二幕では警察組織の問題に突っ込んだ物語でレイ・リオッタの演技が素晴らしい。
三幕はデイン・デハーンの独壇場。堕ちることに関しては一強と言ってもいい。これまで堕ちて不幸になっていく大人が多く写される中で、彼が最後に何を選ぶのかというのが肝になっており、最後の選択をハラハラしながら観る形になっている。最後の選択はこの負の螺旋が断ち切れたような、清々しさを感じるものになっていてとても良かった。正直最後のデイン・デハーンにもう少し尺を割いてくれたらと思いもしたが、概ね楽しめた。
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