ペジオ

煽情のペジオのレビュー・感想・評価

煽情(2009年製作の映画)
4.3
眼から離れない、目が離せない

極端な接写含め、とにかく描写が面白い
「瞳」のアップは一人の女の「世界の見え方」を描いたこの映画に相応しいと共に、少女に「見つめ返されている」事実が「見ている」我々に何とも言えない「背徳感」を強制的に感じさせてくる
「肌」のアップは多分に観ている者の「皮膚感覚」に訴えかけてくるので、残酷描写のやりがいもあるというものである

「ジャーロ」に関してはほぼ門外漢なのだが、それでもこの映画が「ジャーロ」に対するオマージュで満ちているのは何となくわかる(「黒の皮手袋」でちょっとテンションが上がった。)
ジャンルへのオマージュならそのジャンルの「旨味」を抽出したものになりがちだから、「入門編」として最適だったかもしれない
素人の見解でしかないが、技法や見せ方に特化したジャンルだと思うので、「何を表現しているか?」は割りとどうでもいい

…いやーなんで今まで見てこなかったんだろ?
「殺人」を美しく且つ生々しく描く作品群なんて、かなり好物なジャンルの筈なのに
このジャンルを一周してから、またここに帰ってこよう
ペジオ

ペジオ