まーしー

愛のコリーダのまーしーのレビュー・感想・評価

愛のコリーダ(1976年製作の映画)
2.5
フォロワーの方のレビューを読み鑑賞。
恋人の男性を絞殺し陰部を切断した「阿部定事件」が題材。タイトルの「コリーダ」はスペイン語で「闘牛」を意味する。

すごい。過激という言葉だけでは片づけられない。
ただひたすら性行為を映した内容。Netflixの配信では修正が加えられているものの、局部や結合部のアップ映像だと分かる。
そのカメラアングルも様々。個人的には「美しさ」を感じ取ることができなかったが、見せ方(撮り方)には監督のこだわりがあったものと想像できる。
そして、恥部を曝け出す演技をも辞さない主演二人の役者魂。特に俳優の藤竜也が格好良く、「水も滴る良い男」という表現がふさわしい。

「自分のものにするため恋人を絞殺する」という悲哀に満ちたストーリーだが、愛欲まみれの、あまりにインパクトある映像ゆえ、自分の中でストーリーが二の次になってしまった。

擬似ではなく、本当の性行為を芸術的に映したという点で、日本映画の中でも間違いなく足跡を残した作品。当時は物議を醸したと思われるが、今なお語られるということは、大島渚監督の手腕や熱量、キャストの演技が素晴らしかったのだろう。