ごろちん

エンディングノートのごろちんのレビュー・感想・評価

エンディングノート(2011年製作の映画)
4.4
「私は上手に死ねるのでしょうか」

誰もが迎える「死」。そこに上手下手が有るとすれば、全てを受容し、自分の死後、遺された家族や友人、関係者を困惑させないように出来るかどうか。

死と向き合い、自身のエンディングに向けて準備を重ねた監督の父親、砂田知昭さんのエンディングノート。

監督・ナレーションは次女。知昭さんの心情を明るくコミカルに吐露する形で進行します。

父親を撮りつつも特別感は出さず、高度成長期に働いた一人のサラリーマンとその家族を、監督が小さい時から撮り続けた8ミリを挟みながら映像で綴っています。

ドキュメンタリーはドラマや映画と違って、言葉を発した本人にしか、その真意は分からない。
でも、病床の知昭さんが長年寄り添った妻に対して出た一言は、心の底から思わず溢れ出た言葉のようにズシリと重みがあり、素敵な言葉でした。

「上手に死ねるかどうか」。営業のクロージングマニュアルのような知昭さんのエンディングノートには、知昭さんの家族に対する愛情がたくさん記されていました。
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