ねこ無双

ブリーダーのねこ無双のレビュー・感想・評価

ブリーダー(1999年製作の映画)
4.5
レフン監督初期の作品。
気楽な雰囲気の中、暴力がはらんでくる感じが面白い。

セリフの間と視線が印象的。こういう会話の間って普通にあるよね、という感じ。オープニングも登場人物紹介のようになっていて、それぞれ撮り方もテーマソングも違ってて凝った作り。

4人の友人関係の男達が主役。
マッツ・ミケルセンがバイオレンスと隣合わせしながらも、それとは無縁の普通の男。
マッツ演じるレニーはレンタルビデオ屋の店員。勤務中もずっと映画を観ているぐらいの映画狂。週10本以上も観ている。友人4人みんな映画好きで、いかついガタイの大人達なのにビデオ観賞会しながら映画談義。映画好きなら聞いてて楽しいだらだら話。レニーがお客さんに、店に置いてあるビデオの監督名を延々と言い続けるシーンは名シーンだと思う!

仲間の一人レオが、恋人の妊娠から自分の人生に焦燥感を感じ始める。偶然目にした突発的な暴力に取り憑かれ始め、ある日恋人に暴力をふるってしまう。恋人の兄とは仲間同士であったが、それをきっかけに暴力の連鎖が始まる。

静とバイオレンスの後半。
バイオレンスシーンに度々出てくる赤が印象的。やっぱりバイオレンスシーンは突発的でドギツイ。復讐の仕方がちょっと普通じゃ考えつかない方法で、地味にパンチ効くやつ。
復讐が去り、蚊帳の外だった二人の会話の哀しみが混じった緩い感じがいい。