こぅ

ジョニー・イーガーのこぅのレビュー・感想・評価

ジョニー・イーガー(1941年製作の映画)
4.2
150/'22

「何故同情する?
嫌いでも同情はできる 魂や心や良識があればな」

【仮面の米国】、【悪い趣旨】等の職人、マーヴィン・ルロイ監督による、
硬派なギャング系【フィルム・ノワール】の真打ち登場‼︎


模範的な更生中のタクシー運転手、ジョニー・イーガー(ロバート・テイラー)の裏の顔は、賭博シンジケートを牛耳る非情で残忍な男だった…。


冒頭からジョニーの表と裏の顔を克明且つ簡潔に描写(そんなバレない訳無いだろうと突っ込み入れつつ)。

ジョニーの恋人、ガーネット(パトリシア・デーン)、社会学部の学生、ジュディ(ダイアナ・ルイス)とリスベス(ラナ・ターナー*)他、序盤からぞろぞろ出てくる美女の中から、後のヒロインを、彼女の言った シラノ・ド・ベルジュラックの甘い言葉 を気にかける、という暗示をさり気なくて描写。

そして、決定的な再会に繋げる。
彼女に真の顔がバレた、、
その彼女の継父とは、、‼︎
勿論、警告が入る、「娘に二度と近づくな‼︎」

主人公の禁断の恋、強気な態度、展開やツケの来る結末が、読めそうなドラマ、、
半ばには、ありがちな展開にガッカリ、、いや違う‼︎
結構悪どい手を使うし、悪事の手際も良いジョニー。

この一連は、中々の見どころに。
本作が、ビシッ!としているのは、善悪、其々のキャラが明確に立っているに他ならない(途中キャラ放置は少し気になったが)。

終盤は、少し詰め込んでくる。
ジョニーの心変わり のシークエンスがしっかりとあるのは、クライマックスに説得力を生んでいて抜かりない。

◯の為の撃ち合い。
ショットが決まる‼︎


結末は読み通り。皮肉なオチのラストカットも良き。

長回しや計算されたアングルが散見。
陰影は良いが、暗部のライティングは不足気味。

終始、アル中の親友、ジェフ役のヴァン・ヘフリンが中盤、
「一緒にいる理由が分かった
ジョニー・イーガーには友達が必要なんだ」

このセリフにグッとくる。
最後までナイスガイで、【アカデミー賞 助演男優賞】も納得だった。


*注記
ラナ(21)の美貌と熱演も印象的。
こぅ

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