ジブリの人気ランキングとかだと下から3つ以内か、酷いときだと候補から忘れられてることもあるこの作品。以前何かのアンケートで見たアメリカ人の選ぶジブリランキングでも堂々の最下位だったが、そこにはこんな感じのコメントが...
これにはドラゴンも魔法も出てこない、これだったら俺たちのほうがよっぽどドラマティックな人生送ってる、等々...
でもそれ言ったら「おもひでぽろぽろ」だってそうじゃない?
劇場公開ではないTV作品だからって人もいるけど、スピルバーグの「激突」だってTV映画だけど名作扱いされている。
というか、私はこれが非日常感に乏しい退屈な話だとは思わない。
東京から才色兼備で個性的な女子が転校してくる。これって田舎の高校生にとってはドラゴンが登場するのと同じくらい非日常な事件ではないか。
原作が書かれたのは1990年代初頭らしいけど、実際の舞台はもっと前、80年代あたりのようにも見える。遠い日を見ているようなノスタルジックな映像と、キャラや情景に完璧にマッチした音楽がすっと入ってくる。
このエモーショナルな作品が、駿でも勲でもない新人スタッフによって作られたというのが凄い。音楽だって久石譲ではない。
宮崎駿がこういう路線をやると「耳をすませば」みたいになってしまう。どうしてもファンタジー色が強くなってしまう。
でも私はドラゴンや魔法や不思議な世界観は出てこなくてもいいからこういうジブリ作品をもっと観たいのだよ。