30年ぶりに再会した男女7人組が、道化師ペニーワイズの幻視体験を回顧していく。道化師スタイルのサイコキラー「ペニーワイズ」を創造している、サスペンス・ホラー。
元々は、スティーブン・キングの大長編を原作にした、テレビ放映用の作品。前半部では現代から過去へのフラッシュバックを7人分繰り返し、後半部では別々の人生を歩んできた主人公グループが人間模様を展開させる。
子供の通過儀礼を取り残したままで大人になった人間たちが、自己のコンプレックスに立ち向かっていく。「コンプレックス＝ペニーワイズ」を示唆させており、学校の「不良生徒と教諭」の両者を、嫌悪の対象にしているところに共感がもてる。
道化師のイタズラがつまらないものばかりであり、グロテスクな猟奇性を楽しむことはできないが（テレビ用だから表現がマイルド）、心底楽しそうに芝居するティム・カリーとイジメられっ子の奮闘ぶりは見応えあり。
