意欲作!このジャンルを続けて欲しい
ラップミュージカル?というジャンルなのでしょうか。言い方が正しいかは分かりませんが、意欲作であることには間違いない本作。
ちなみに、10年以上日本語、外国語ラップを聴き続けてきて、それなりにラップというもののよさは分かっているという前提で書かせていただきます。原作は読んでいません。
まず、オープニングはとても良かったです。ラップに乗せて映画の中の世界観を見せていく。
どこか作り物っぽい世界観でこの物語は進行して行くんだぜ?という宣言がセンス良くまとまっていると感じました。
肝心のラップですが、本職の方々でガッチリ固める一方で俳優陣も良く頑張っていたほうでしょう。どうしても、フロウがダサいと見ていて安心できないのですが、主要キャストは頑張っていたと思います。特にメラ役の鈴木亮平さんがいいですね。ラップはリリックのみにあらず、サイコなキャラ設定と肉体美、そこにフロウがうまくハマってると感じました。
ラストの全員でラップするシーンはこれがこの映画の世界観なんだ!というブレの無さを感じました。
でもそれが感動的か?面白いか?と言われれば疑問符が付きます。
突き抜けた世界観をやりきった点は評価できます。
また、格闘シーンが要所良かったです。
女優陣も全裸にされたり乳揉まれたりしながら頑張っていました。
しかし、この物語のテーマに直結する部分。ゴミ箱をひっくり返したような世界観が悪く言えば雑多なエンターテイメントに見えるのです。
要所で刺激的なもの(暴力だったりエロだったり)を出して場を繋いだメッセージ性のない作品と見えなくもないのです。
ラップとは韻を踏みながら、全体的なテーマをもって、メッセージを伝えていくことが大事だと思うのです。
そこがこの映画の致命的な矛盾であり、感動が無い理由な気がします。
しかし楽しめる作品ではあります。
個人的には練マザファッカーがまた見れて嬉しかったですね。