【過去に観た映画】2015.2.15
さぬき映画祭2014にて
1日限りの上映、
香川出身の女優 木内晶子さんによる司会で同じく香川出身の朝原雄三監督による舞台挨拶。
シナリオセンターの柏田道夫先生の脚本なので、どうしても観たかった。
(今回は脚本は三人の名前がクレジットされているので、共作)
柏田先生は、磯田道史原作のベストセラー「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」を
森田芳光監督が映画化した「武士の家計簿」でも脚本を書かれ、時代小説家でもある。
加賀藩に実際に存在した料理担当武士・舟木伝内と息子が残したレシピ集「料理無言抄」を題材にして作られたという映画。
朝原雄三監督が「リアリティを持った時代劇」ということで作られただけあって、史実を元に、多少、デフォルメしすぎと思うとこもあったが、
本来の時代劇にはないような演出が加えられていて、おもしろかった。
やはり、脚本がよかった。
包丁侍が反発しながらも、一人前になっていくというメインのしっかりとしたストーリーに加賀藩で起こったお家騒動がうまくからめられ、
そこにはまた本来の愛の姿がうめこまれたりしていて、何重にも重なる想いが、深いドラマになっていた。
江戸時代の様々な制度や慣習には実感としてとらえられないけど、
人の気持ちには寄り添える。
いつの時代でも、その人たちの持つ、絆だったり、
愛だったりが浮かびあがり、泣けたり、安堵したりした。
「小さいおうち」でも感じた 「奉公」というひとつの愛の形に愛の本質を見た。