垂直落下式サミング

イノセント・ガーデンの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

イノセント・ガーデン(2013年製作の映画)
3.8
まず、画面の綺麗さが『親切なクムジャさん』よりも数段向上していて驚いた。本場ハリウッドの衣装デザインや撮影ノウハウをフルに活用したことで画面の彩度が統一され、それでいて監督の色はしっかりと残し、リッチな風格をたたえながらも寒々しい耽美さをはらんだ物語が進んでゆく。パク・チャヌク監督のハリウッドデビューにふさわしい力作だ。
1人の少女が殺人者に変わっていくまでの様子が繊細な映像と音楽、エロティックな描写で描かれている。ミア・ワシコウスカの好演もどこか現実離れしていて、この様式的な世界観を補完しているようだ。邦題の「無垢」というよりは「悟り」に近い結末だと感じた。
あと、脚本がマイケル・スコフィールド。