くにぽよ

絶叫学級のくにぽよのネタバレレビュー・内容・結末

絶叫学級(2013年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます


音と映像でド派手に演出されたいじめのシーンは気持ち悪くて不快感があって良かった。いじめられている側の精神的な部分の描写がもっと欲しかったかも。
旧校舎にいる黄泉という霊が「大切なもの」をひとつ奪う代わりに、何でも願いを叶えてくれる、という設定が、ドロドロとした女子の学生世界と非常にマッチしていた。
加奈は最初「いじめのない学校にしてほしい」と願うが、こころの奥底にある強い願望「誰よりも可愛くなりたい」という願いを優先してしまう。これがとにかく良かった。
旧校舎の幽霊・黄泉ちゃんは基本的に人を襲ったりはしない。あくまで人間の願いを聞き入れて、それを叶えるだけ。じゃあ黄泉ちゃんいなくても話作れそうじゃね?と思ってしまうのだが、黄泉ちゃんの「大切なものをひとつ奪う」という部分が絶妙。肩を並べたリオは死んで、親友の恵梨花は陰で加奈を恨む。「友達」という存在を奪われた加奈だが、これが100%幽霊の仕業と言えないのが面白いのだ。加奈の立ち振る舞い、発言、行動。どれも本人の意思のもとで動いた結果であり、「なるべくしてなった」という結果が生まれている。
「誰にも負けない画家になる」野望を持つ、親友”だった”恵梨花が最後に「私、やっぱり美しいものが描きたいんです。こんな世界だからこそ・・・・・・」と言って旧校舎に向かうラストは良い。

 キまってるシーンや演出はそこそこあって面白かった。ただ全体的なパワー不足感が。あと10分くらい尺を増やして細かい部分を掘り下げるか、逆にどこかのエピソードを思い切って削ったりしたら良かったかもしれない。

改めて見るとキャストが今をときめく売れっ子たちという豪華さ。ホラーは登竜門だというのがはっきりわかんだね。
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