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私の男のodyssのレビュー・感想・評価

私の男(2013年製作の映画)
3.5
【二階堂ふみのおっぱいを!】

熊切和嘉監督の映画は、これまで2つ見ましたが、いずれも「うーん・・・」だったので、期待していませんでした。ただ、モスクワ国際映画祭で賞をとったということなので、これまでよりはマシかも、くらいの気持ちで見に行きました。で、まあ、そのくらいの映画かなと。

この映画はまず、二階堂ふみのためにある映画です。モスクワ国際映画祭ではもう一人の主演である浅野忠信が主演男優賞をとったそうですが、私は二階堂ふみのほうがはるかに素晴らしいと思いました。ただ、残念なのはあれだけセックスシーンがありながら、彼女がおっぱいをさらしていないこと。中途半端だと思うな。もちろん私としてもふみちゃんのおっぱいを見たいというスケベ心もあるわけですが、芸術のためにも(笑)出してほしかったな。

他に優れているところといえば、やはり北海道の景色でしょうか。紋別の流氷はその中でも格別にこの映画にとって重要な基盤のような役割を果たしています。

ただ、これまでの熊切監督作品もそうなのですが、景観と登場人物の心情の結びつきが、奥深いところまで行っていないような気がします。もともとこの監督は、筋書きの展開や人物の性格付けなどは余りうまいとは言えないところがある。その分、心情を景観に託すのなら、その結びつきに或る種の必然性を設定して欲しいのですが、そこが弱い。私がこの監督を今まで評価できないと思ってきた主たる理由はそこにあります。

今回は二階堂ふみの熱演と、北海道ならではの景観でその弱点が見えにくくなっていますが、しかし弱点が克服されたとは言えない。この監督の今後の課題でしょう。
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