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エリジウムのyumeayuのレビュー・感想・評価

エリジウム(2013年製作の映画)
3.0
『どこで生まれたか忘れないで』

描かれているテーマは前作『第9地区』と同じように差別や格差を描いているが、衝撃的で独創性溢れる『第9地区』に比べるとややパワーダウンといった感じ。

荒廃した地球に住む貧困層と宇宙コロニーに住む富裕層という壮大な世界観の割に、ストーリー自体は主人公周辺の話に終始していて、こじんまりしている印象を受ける。せっかくのジョディ・フォスターもなんだか残念な感じでした。

主人公が暮らす地球の描写は細かく描かれていたのに対して、富裕層が暮らすエリジウムの方は予算の問題なのか、映るのは住宅街ばっかりで、似たようなシチュエーションしか出てこない。だからなのか、後半のエリジウムに移動してからの展開が早い。
また、どんな病気や怪我を治してしまうとんでもない医療ポッドが登場する一方で、エリジウムの防衛システムが激甘だったりとツッコミ所も多い。

ただ、『第9地区』同様に登場する武器やガジェット、ロボットなどはカッコいい。次回作の『チャッピー』でもそうですが、ニール・ブロンカンプ監督の武器やメカに対するこだわりを感じる。

世界観は好きですし、言わんとするメッセージは伝わるものの、物語がやや凡庸だった感は否めない。
例えるならば、一見物凄く作り込まれているように見えて、行けるところが少ない一本道なオープンワールドみたいな感じ。
ちょっともったいない気がしました。
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