愛鳥家ハチ

エリジウムの愛鳥家ハチのレビュー・感想・評価

エリジウム(2013年製作の映画)
3.7
『第9地区』のニール・ブロンカンプ監督作品。本作は、上流階級の住まう衛星軌道のコロニーである"エリジウム"と、その他の市民が留まることを余儀なくされている荒廃した地球が舞台で、ある事故をきっかけに余命いくばくもなくなった地球市民の主人公・マックスが、延命を可能にする医療ポッドのあるエリジウムを目指すというSF物語。
 キャストは、マット・デイモンが主演、ジョディ・フォスター、ウィリアム・フィクナーが脇を固めるという安定感のある布陣。一番の見所はやはり美術系統でしょうか。セットや衣装、小道具等のクオリティが非常に高く、桜や刀といったジャパニーズ要素もキラリと光ります。オペシーンを筆頭に(PG-12相当の)若干の刺激表現があるため苦手な方は留意すべきかと思いますが、それを措いてもSFファンには十分に訴求する内容だと思いました。
 物語の中盤で結末が透けて見えてしまうのですが、ド直球なシナリオはハリウッド的な様式美すら湛えており、お見事でしたと言う他ありません。水戸黄門や暴れん坊将軍といった時代劇と同じく、収まるところに収まってくれたなという感想です。本作はやや過小評価されているきらいがありますが、個人的には、隠れた秀作として輝き続けて欲しいと願うばかりです。
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