あきらむ

蝿の王のあきらむのレビュー・感想・評価

蝿の王(1963年製作の映画)
3.9
蝿の王、中三の春休みに原作を読んで思春期の私に見事トラウマを植え付けてくれた思い入れのある作品。最後の方は怖すぎて、こんなに怖い本があってたまるか!!と半ギレになりながら読んだ記憶。
限られた時間しかないため割と展開が早かったが原作の毒々しい雰囲気はうまく醸し出していたと思う。ただ、最後の方の展開が早すぎて、もうちょっと恐怖感を煽って欲しかった。

無法地帯での権力闘争物は割と好みで、「なめられるなめられるないコミュニケーション」が顕著に出ていた。あまり理性を必要としない場では、なめられたら終わり。普段のコミュニケーションよりそれが顕著で、このコミュニケーションから降りたが最後、上位にいる奴は自分の地位を守るために降りたやつを徹底的に叩きつぶし、それを悪とも思わない。
ジャックの気持ち悪いペイントメイクも、なめられないため、そして威嚇のため。顔面や体にペイントをして毒々しさや狂気を醸すといういろんな作品でやられてる手法。白黒だから、カラーの想像が膨らんで、吐き気を催すね!(絶賛)この作品では、子供同士ということもあり、それが伝染し集団でペイントし、ヒステリー状態になって獣じみた暴走をする場面がなかなかの見物。久々に映画を見ながらドン引きしたね。大体のものには引かないが「狂ってるわぁ……この子ら……」と普通にドン引き&恐怖し、主人公の目線にどっぷりつかれた。主人公がちょっとファニーフェイスで、少しリーダーシップはあるが普通な少年で、あどけなさがあるのが意外と良かった。