ルネ

アドベンチャーランドへようこそのルネのレビュー・感想・評価

4.0
2009年。 DVDスルー。 監督はグレッグ・モットーラ。

大学院進学を控えた夏休みに、家庭の事情でバイトすることになった青年が、イケてない遊園地で働きつつ恋したりするお話。

ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートが共演してのだが、この2人はのちに『エージェント・ウルトラ』って超絶つまらない作品でも再共演してます。

最初っからベルベット・アンダーグラウンドの曲で始まるし、音楽を手掛けてるのがヨ・ラ・テンゴだったりもして、選曲が最高すぎて死んだ。 ルー・リード、デヴィッド・ボウイ、ビッグ・スター、ザ・キュアー、クラウデッド・ハウス、ニューヨーク・ドールズ、ハスカー・ドゥ、リプレイスメンツって最高すぎるよ。

繰り返し使われてたベルベット・アンダーグラウンドの「Pale Blue Eyes」は、トラン・アン・ユン監督の『夏至』の冒頭でも使われてて、メランコリックで美しくてレイジーな名曲です。

1987年が舞台なのだが、そんなインディーっぽいバンドの楽曲に、INXSやファルコといった、いかにも80代っぽいダサい曲もまぜてて、その辺のバランスが良かった。 時代が近いのもあるけど、『ウォールフラワー』っぽい選曲だと思う。 あの作品も使われてる曲がすごく良くて、トラックの荷台で両腕を広げながらデヴィッド・ボウイの「Heroes」を聴くシーンが忘れられない。 ちなみにぼくが「Heroes」を初めて聴いたのは、オアシスのシングルのB面に入ってたノエルが歌うカバーバージョンだった。

デヴィッド・ボウイの曲はこの作品だと「Modern Love」が使われてて、これは『ポンヌフの恋人』の街を駆け抜けるシーンで使われてて、そのシーンにオマージュを捧げた『フランシス・ハ』の同じく走るシーンでも使われていた。

遊園地で働き始めた青年だったのだが、バイト仲間や社員のキャラクターが濃くて笑えるし、バイトあるある的な懐かしさも
あって、なんだか甘酸っぱい気持ちになった。 そして、そこで女の子(クリステン・スチュワート)と出会って恋をする。

学生時代の恋愛って経験も少ないからどうしていいかわからないし、なんかドキドキ感が尋常じゃない。 当時は早く大人になってスマートな恋愛したいなって思ってたけど、今になってみるとあの不器用さこそが青春だったんだなって思う。

そんなに劇的な展開でもないんだけど、そんなぎこちないやりとりを見てたら、切なくも微笑ましかった。 若いっていいな。

クリステン・スチュワートが演じる女の子がすごい優しい子なので、今まで興味がなかった彼女のファンになりました。

グダグダだしB級っぽさ全開だけど、青春してます。 あそこで終わるラストも良かった。
ルネ

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