OneEyedJOKER

ザ・ディープのOneEyedJOKERのレビュー・感想・評価

ザ・ディープ(2012年製作の映画)
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実話ベースなので、それ程エンターテイメント性の高い作品では無い。

出港前まで酒を飲み、夜には家族と過ごし、そして出航。
さっきまで陽気に話していた仲間があっという間に何の反応もない骸と化する…。

舞台はアイスランドの海なので、半端なく冷たい水が、1人…また1人と体力を奪って行く。

このうえなく絶望的な状況下なのだ。

微かな希望さえも届かず、真っ黒な世界は容赦なく乗組員たちを飲み込んで行く。

真っ暗闇で、映像もわかり辛いのだが、
それがかえって臨場感を醸し出していた。

かろうじて生き残った船員は、走馬灯の様に幼少期、自分が漁師を目指すきっかけになった話等を思い出したり、自分のやり残したことなんかを考えたりするのだが、
その回想シーンが8ミリフィルム風の映像だったりするのも、なかなか手が込んでいて好感が持てた。

生存者が見た、手を伸ばせば掴める幻では無い希望に、思わず感情移入し安堵した作品だった。
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