アルゼンチンの話なのに、めちゃめちゃ親近感…！行き当たりばったりの都市計画のせいで統一性のないブエノスアイレス街角の風景。雑居ビルが無秩序に立ち並んで、ソレいつからあったっけ？と聞きたくなるような広告がベタベタ貼ってあるような類のセンスのなさは日本と通じるところがあります。
かなりの人口過密都市とあって、住居にも細かなランク分けがある様子…主人公ふたりは面識のない男女で、それぞれ窓もないようなランクの低い部屋に住んでいます。
閉塞感が人の心を蝕む。建築が人を病ませる…なるほどなるほど一理あるのかも？と納得してしまうのは、やっぱり日本の住宅事情を連想してしまうからかも。生きづらいのは街のせいにしちゃいたい。実際そうかもしれないし。
そんなわけで、非常に感情移入しやすく、また極小住宅ならではのインテリアも目に楽しい作品でした。たった5段のメゾネットのお部屋住んでみたいぞお洒落。
部屋が心情に影響を及ぼしストーリーを動かす仕掛けにもニンマリ。
独白や台詞のセンスも私には合いました。音楽もgood。
まあ男女が出会うまでの話ですよねハイハイハイ…と思ってたらエンドロールでテンションぶち上がりました。
ain't no mountain high enoughが流れたら私はもう無力なんですよね。最高…！曲だけじゃなく、あまりにもハッピーなエピローグ。
今度疲れた時エンドロールだけ見ちゃおかな…
なんだか地味かも、と思ったら異様に気に入った作品となりました。
邦題が良くないね。英題の「サイドウォール」がバッチリでしょ？？？
