エイデン

ラッシュ/プライドと友情のエイデンのレビュー・感想・評価

ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)
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1970年代
毎年2人は死ぬという危険なF1レース
この時代 栄光のため命を賭ける男達の姿があった
F3レースに参加するイギリス人レーサーのジェームス・ハントは、野性的な直感を持つ豪快なプレイボーイとして知られ、F1という新たなステージに行くことを夢見て奮闘を続けていた
そんなある時、ロンドンで行われたF3レースで1人のデビューしたてのオーストリア人レーサーがハントの前に現れる
その男の名はニキ・ラウダ
彼はレーサーらしからぬ冷静さと論理的思考を持ち、更には勤勉さと工学の知識を武器にした的確な走りは、間違いを犯さない“コンピュータ”というあだ名をつけられるほどだった
新人は眼中にないハントは、いつも通りトップを走り続けるが、猛追するラウダと接戦となり、最後に2人のマシンは接触してしてラウダは走行不能となってしまう
悔しがるラウダを他所に、ハントは優勝台に立ち喜びを噛み締めていた
それ以来 度々2人は激戦を繰り広げるもハントの勝利に終わっていた
ラウダは資産家の一族だったが、家族はレースに反対しており融資は受けられず、銀行から多額の融資を得てマシンの改良に乗り出す
そして狙い通りラウダのマシンは速度を上げることに成功
更にそれの秘密を知りたがったオーナーと話をつけ“BRM”というF1チームに加入、そこで出会ったクレイ・レガツォーニと共に“スクーデリア・フェラーリ”に参加し、1975年に初めて大会を制するのだった
一方でハントは実力でF1まで勝ち進んだものの所属する“ヘスケス・レーシング”のスポンサーが見つからず、仕方なくスポンサーを付けない真っ白なマシンに乗り込み話題をさらうと、モデルのスージー・ミラーと出会い、すぐに結婚を申し込む
順調に実力を発揮していくラウダに対し、ハントには陰りが見え始める
久々の2人の戦いはラウダの勝利に終わり、重ねてスポンサーを付けないという傲慢さが災いしレースの出場資金が確保できなくなってしまいチームは解散となってしまう
やけになり酒に溺れるハントは、スージーともぶつかるようになるが、そんな折“マクラーレン”のチームに欠員が出たと知り、熱心にアプローチを続けて所属が認可されるのだった
その頃 ラウダはレガツォーニの紹介で一緒に旅行に行ったマルレーヌ・クナウスと恋仲になっており、公私ともに満ち足りた日々を送っていた
そして1976年
新たなシーズンが幕を開け、ハントとラウダは再び大会で相見えることとなる



1970年代のF1レース界を席巻したジェームス・ハントとニキ・ラウダの戦いを描いた伝記映画
吹き替え版の主役2人はKinKi Kidsだ
そこでクラッシュしてどうする


スーパーマシンという高速の棺桶に乗り込み、命を掛けて戦うF1レースを舞台にした実話
時代錯誤かもしれないけど、こういうステレオタイプなまでの男同士の熱いやつは観ていて燃える

そういう感想に表れるように、この映画はあくまで人間ドラマというジャンルに属するという点は注意すべきかもしれない
私もF1は詳しくないし、当時生まれてもないから、初めは2人の戦いの行方とか気になってたけど、そういう観方をするものじゃなかった
あくまで2人にスポットを当てた作品として観るとよい

映画観るまでハントもラウダも知らなかったんだけど、本当にキャラも尖ってて面白い関係だった真逆の性格にレーススタイルというだけでも漫画みたいな構図だし、伝記映画だからこそスポットが当たるレース外での人間味が特にいい
野性味溢れるタフガイなハントがレース前に緊張でゲロ吐いてたり、中心的に描かれるラウダの事件後の様子だったり
レース時には信念を剥き出しにしてぶつかり合うものの、1人の人として互いを認め合う確かなライバルだからこその友情がそこにある

もはや完璧なまでのライバル関係がそこにあるので、序盤のライバルが強敵を前に共闘してくれるという『ロッキー3』ばりの激アツっぷりがそこにある
信念に燃える男達の生き様をその目に焼き付けてほしい
エイデン

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