アタラクシアの猫

クロワッサンで朝食をのアタラクシアの猫のレビュー・感想・評価

クロワッサンで朝食を(2012年製作の映画)
4.0
老女フリーダと、初老の家政婦アンヌとのフレンチ・ツンデレ物語。
女と女のお話しだけど、レズビアンって訳じゃないけど…これはラブストーリーだ!

エストニアで母を看取ったアンヌ(54歳)
パリのエストニア移民の老女フリーダ(83歳)の家政婦としてパリへ。
雇い主は、カフェのオーナーのステファン(62歳)

アンヌは老人ホームで働いてた経験とフランス語が出来るから、と雇われたものの、愛想も愛嬌もない真面目で質素で静かな女性。

フリーダは、辛辣な皮肉屋のクソ婆。アンヌを見た途端「帰れ!」と追い返す。
ステファンはカフェの仕事も有るしフリーダの面倒を見続けられない。
(フリーダは83歳にしては矍鑠(カクシャク)と動ける婆)

実はステファンは、フリーダの息子ではなく元「若い燕」だった。
ステファンとフリーダの関係を知ったアンヌは、自身の身の上を吐露しつつフリーダとの心の距離を縮めていく。

フリーダの様な、放逸な人生を歩んできた人間の老後は何て寂しいんだろう。
社会のお荷物になって周りから「死を待たれる」事が、どれだけ辛いか。
老いと死については「モリー先生との火曜日」でも同じテーマが論じられている。

シャイヨー宮からエッフェル塔を望みながらアンヌがパンを食べるんだけど、そこはクロワッサンでしょ?

ラスト・シーンはけっこう好き。
アンヌが、嬉しい感情を全く表に出さず無表情のままエンドロールに突入する所がフランスっぽい。

別の角度で見ると、アンヌとフリーダの関係は「トイ・ストーリー」のウッディとバズの関係に似てて、同じ境遇の親友にも思える。
そうすると、ここから「クロワッサンで朝食を 2」が始まっても良い位。
でもフリーダを演じたジャンヌ・モローが現在87歳なので、2は撮れないでしょう。惜しい。