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スパークルのcatmanのレビュー・感想・評価

スパークル(1976年製作の映画)
4.0
1976年公開。どこを見ても全く言及されていない様だけど、自分が特筆したいのは撮影監督のブルース・サーティースによる画作り。イーストウッド組で名を馳せた名手サーティースのキャリアの中でも脂が乗っている時期なだけに、本作でも影を強調しまくったその独特の絵づらを堪能出来るって寸法。画面が暗過ぎて何が映っているのかよく分かんない時もあるくらい笑 でもそれがカットに深みや特別な意味を与えていて実にクリエイティブな撮影とライティングだと思う

物語の舞台は50年代後半のニューヨーク・ハーレム。『ドリームガールズ』に便乗しようという魂胆が見え見えの華やかなパッケージの印象とは裏腹に、音楽が主軸ではありながら暴力やドラッグ、貧困や人種問題が絡み合うダークな展開はブラックスプロイテーションの味わいが色濃く感じられる。何たって音楽はカーティス・メイフィールドですから。主演は当時16歳?のアイリーン・キャラ。めちゃめちゃ可愛らしい。その恋人役には若きフィリップ・マイケル・トーマス。後の『特捜班マイアミバイス』のリカルド・タブス。めちゃめちゃハンサム。逆境に負けずギャングや白人の圧力に屈する事なく敢然と立ち向かう彼の姿は主人公のスパークルよりも本作のメッセージを強く感じさせる。脚本はジョエル・シュマッカーで、この人は白人でありつつ『カーウォッシュ』でもアフリカン・アメリカンのコミュニティを的確に描いていて、そう言う意味で人間主義の人情派なんだろうな。『フローレス』なんて映画も撮ってるし。

音楽にも触れたいところだけど長くなり過ぎたのでこの辺で終わります
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