pmydawn

デタッチメント 優しい無関心のpmydawnのレビュー・感想・評価

3.7
終始苦しくて、涙がでた。
タイトルからてっきり、超ドライな教師が荒れてる教室を更生さす話かと思ってたのに。

荒れた教室はそうだけど、闇を抱えた教師が、傷ついた若者に中途半端に優しくして傷を深める。
それはインタビューらしきカットを挟みながら、現場のドキュメンタリー風に紡がれて、終始生々しく。
教師と子ども、親。負の感情の連続。
悪意ではなく、もどかしさ故の憤慨。怒り。その連続。連続。
そんな映画。
だけど、目をそらしてはいけないと思う。
最後の彼は、ひとつ乗り越えたのか。
最悪と向き合うことで、闇をひとつ。乗り越えられたのか。

わたしは免許を取ったのにあえて教師を目指さなかったからか、或いは尊敬できる恩師が居なかったからなのか。
教師なんて、人の気持ちに全然気づけない残念な鈍感か、支配欲の高い自己中心型でないとやってけないと思ってしまって、複雑。
大変な仕事だから、傲慢でないと務まらないと思ってしまう。
大変で凄いのに、人として全く愛せなくて、ひどい矛盾。
彼は完全にドライでいれないなら、教師なんてすべきじゃない、と思う、な。

考えることがたくさんある。
ただの娯楽ハッピーエンドではない。
返却する前にもう一度見る。
pmydawn

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