Kaoru

ローマの教室で 我らの佳き日々のKaoruのレビュー・感想・評価

3.6
この作品は作品自体で結論を出すのではなく、観た人がそれぞれ考え自分なりの結論を出し完成させる参加型の作品だということが前提として大切。原題は"赤と青"。イタリアでは試験採点の際に教師は1本の上下に2色の芯が入っている赤青えんぴつ(懐かしい!笑)を使い「許容できる間違い」を赤、「どうしようもない間違い」を青としてチェックしているところからきている。教師に情熱を燃やす新しくきた補助教員のジョヴァンニ、気難しい美術史の老教師フォリート、女校長のジュリアーナ3人が、それぞれの立場や思想を元にする生徒に対してのジャッジはさまざま。それを客観的に観せてくれる作品だと思いました。中途半端な作品という意見が大変多いですが「大人はどうせ理解してくれない」という子供の立場と、「今どきの子供は」という大人の立場、両者どちらにも偏ることのない公平な目線で描かれている。余談ですがイタリアやフランスの学校ものを観ているとよく出てくる詩の朗読シーン。その辺りも国民性をうかがえます。
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