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バーニー みんなが愛した殺人者のarchのレビュー・感想・評価

3.3
これが実際起こった事件だというのだから驚く。
本作を見て"善人"とはなんなのかを考えさせられる。根っからの善人、キリスト教的な救世主を連想させるような人物とは本当に存在するのか。多分いるのだろう、しかしそこには他者との関係の中で都合の"いい"関係であるだけであり、多少打算的であることを忘れてはならない。
毎日怒鳴られ束縛されても怒らない、それは美徳ではないのだ。"いい人"とは本当に周りに物を与えて害のない存在と一概には言えないのだ。

また田舎という閉鎖的な世界の共通思想のようなバーニー像もかなり恐ろしい。彼らの中でもう既に明確に善悪が決まっていて、人殺しという事実があっても覆らない状況。多くの町民の視点で語られる本作だがそれらは次第にホラーテイストになっていくように思えた。

ジャックブラックの珍しい演技も見応えあり。ただ、面白いかというと疑問符の残る作品でした。
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