えり

謝罪の王様のえりのレビュー・感想・評価

謝罪の王様(2013年製作の映画)
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母が観ていたので、昔観たけどなんとなく傍で観てたら、皇太子がお忍びで握手会に行ってたアイドルがデビュー間もない頃のエビ中だったという。突然大喜びし始めた娘を、冷ややかな目で見る母。

夏空の高きよりなほ高きへと陽は昇り果て 僕を許すな(吉田隼人)
の歌を含む連作を最近久々に読んで、許されることよりも許されずにいることのほうが到底むずかしい、その痛切な祈りのようなものに打ちのめされているところなので、世俗だ……と拒絶しそうになったけどもまぁ世間はやさしいに越したことないな。些細なことは許して忘れてしまえよ。

いや、違う。ラーメン屋のくだりの阿部サダヲも許さない側だったけれど、許したいのでもあって。許すなは許してほしい、か。元々自分は人を許さずにいるときの心の頑なさを注視・尊重しがちだけれど、それを握りしめ続けるのはやはり偏りだろう。やさしくあれ。

というのも違うか。そもそもこういう比較をしないと話をできないのが悪い。浅はかだなぁ。(となにもかも自省に持っていくのも驕りだ)
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