のんchan

しわののんchanのレビュー・感想・評価

しわ(2011年製作の映画)
4.0
気になっていたスペインアニメ🇪🇸
原作はフランスで刊行されたパコ・ロカのコミック『皺』

持っていたイメージは温かいシニアものだったのに...
老いがテーマだが、アニメなのに高齢化社会、認知症を物凄くリアルに描いていて、老いに対する恐怖心が煽られる。
母が老人ホームで過ごしている私にはかなりキツイのが正直な感想だった😧

養護老人ホームが舞台で、時おりユーモアを交えてはいるが、本当に現実を見せつけてくる。
スペインでも日本でも先進国の老人ホームの中って、介護士も含めやっていることは殆ど変わらないんだなとビックリした😲

過去を想い出す場面はほのぼのもするし、老いても新たな友情が育まれるのだが...
観終わった時はほっこりよりも、これはどの世代に向けた作品なのだろう?と疑問が湧いてしまった😔


しかし、特典映像でイグナシオ・フェレーラス監督の丁寧な説明を聞くと、老いは誰にも訪れるので世代関係なく、老いを受け止められるよう全世代から観て感じ取って欲しいと伝えていた。
優しく穏やかで控え目なお人柄で、制作当時はまだ30代だったのかも?
幼少時から日本のアニメファンであり、高畑勲監督の大ファン。
この作品をジブリに売り込んで認められたのだから実力は相当なもの。精魂込めての手描き絵コンテなので、機会があればぜひ観て欲しいなと気持ちが変わった。

コミックの枠を超え、アニメーション映画の寛容性が高い貴重な作品です🌟
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