イチロヲ

ショーガールのイチロヲのレビュー・感想・評価

ショーガール(1995年製作の映画)
4.5
ラスベガスにやって来たダンサー志望の女性が、ショービジネス界の不条理と対峙しながら、トップスターの地位を確立させようとする。女性の自己実現と個人の尊厳を説いている、ヒューマン・ドラマ。

筆者が本作を高評価する理由に「70年代に製作された、日本のポルノ映画と根底部分が同じだから」というのがある。日本の作品はストリップ小屋のミニマム劇であり、舞台の規模こそ異なるが、普遍的なテーマは大同小異。

主人公がヌードダンサーに従事するのは、客人の性欲を満たすためでもなければ、金を稼ぐためでもない。すべてはアイデンティティの確立のためであり、それはすなわち生き甲斐を模索するための手段でもある。

駄作のレッテル張りは「見てはいけないモノを見ている感覚」に過剰反応した結果とすることができる(初期ロマンポルノへの反発とも似ている)。筆者から言わせてもらえば、本作は駄作ではない。これは女性の幸福論をテーマにした、列記とした人間ドラマ。
イチロヲ

イチロヲ