映画ケーン

劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)負荷領域のデジャヴの映画ケーンのレビュー・感想・評価

3.4


まだ、全ては解決していなかった——



悪夢の様な展開で観客を発狂寸前まで追い詰める前作の続き。
過去改変をしても記憶が残ったままだった主人公岡部が、その能力故にどれが現実か分からなくなって行く…

一見さんお断り感はあった。

映画版だけ妙に評価低いから期待半分、「イマイチだったらどうしよう」半分で観たら、イマイチだった。

映画アニメならではの高級感無かったな。

アイツらが好き過ぎるが故に「もうアイツらを幸せにしてやって!(続編要らないから!)」って自分と「もっとタイムパラドックスの世界が見たい!」って自分が争ってる。別の世界線の俺と俺とが戦ってる。
どっちが現実なのだろうか…

あと、個人的には新しい発見が欲しかった。
例えば、前回まで認識していた「世界線問題」が実際は少し仕組みが違っていたのだ、とか。
実は「γ(ガンマ)世界線」もある、とか。
前作では同じ時間、同じ様な場所を行ったり来たりで場面的には前に進んでないんだけど、タイムパラドックスの仕組み、謎の解明とかで話は進んでた。でも、今回は場面は前作とほぼ変わらず、新しい(設定の)展開が無くてあんま進んでる感は無かった。まあ、映画っていう上映時間で考えると仕方ないのかもしれないけどね。

もう一つ、もっと設定を突き詰めても良かったんじゃないかな。「小さな過去改変は世界を大きくは変えない」って宮崎駿みたいに設定のとこを突き詰めて、「実は思ってる以上に変わってる」って伏線をばら撒きまくる、とか。その分難解になるけど、これだけ魅力的な内容を思い付いたんだし、そういう事やって欲しいな。
何なら観客完全置いてけぼり、振り回しっぱなしとかでも良いから!!

「私自身なら何をしたら良いか分かる」って言ってるからキスのその先の行為をするのかと思えば、キスを2005年にする、ってだけ。「恋は強烈な印象に残る」みたいな前回(TVアニメ)と近いテーマも良いとは思うんだけど、前回は「何度も大切な友達が死ぬ」「過去改変、タイムトラベル(タイムリープ)による論理の蓄積された世界観」っていう”観客への強烈なイメージ”が何個もあって、そういうメッセージはサラッと入ってる位が程度として良かった。でも、今回露骨過ぎる。作為的過ぎる。都合も良過ぎる。

後半は助手クリスティーヌの独白が多くてダルい。しかもここまで観てたら分かりきってるって事を延々と言ってる。
いつになったら日本映画はこういうショボい事をやめるんだ。

これは評価でも批判でも無いんだけど、アニメの主題歌って中々好きになれない。最初の『機動戦士ガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』の音楽は好きだけど、それ以外は何かチャカチャカしてて好きになれない。俺だけの話だろうけどね。

あと、「完全新作」じゃなくね?

アイツらに会いたいけど、それが悪夢とセットなのがまたw
それじゃあ『シュタインズ・ゲート ゼロ』も観るかな。
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