Aix

さらば箱舟のAixのレビュー・感想・評価

さらば箱舟(1982年製作の映画)
3.6
田園に死すや書を捨てよ町へ出ようなどで知られる寺山修司の遺作。時間の影響を受けない断絶された村の話。

貞操帯が外れない女、死人が見える男、従兄弟同士の結婚、村に一つしかない時計、犬の顔をした子供、脱出不可能な村など、さすが寺山修司のアンダーグラウンドな世界観でした。ホドロフスキーや鈴木清順を迂回しつつ、最終的にはフェリーニ、クストリッツァに落ち着くような壮大な作品だったと思います。シンエヴァも今作に割と近かったです。書を捨てよに比べると音響と編集はだいぶ改善されていたし、ストーリーも相変わらずヘンテコで見応えがありました。田園に死すほど感情移入が出来たわけじゃないし、草迷宮ほど怖くて面白い映画ではないけど、圧倒的なインパクトを誇っている作品に変わりはありません。フェリーニ、ホドロフスキー、鈴木清順、アンジェイズラウスキー、庵野秀明あたりの作風が好きな人にはオススメ出来る作品です。
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