菩薩

ステーション エージェントの菩薩のレビュー・感想・評価

4.5
お友達いない族必見ムービーでは…?つかこの監督絶対ジブリ好きだろ。『魔女の宅急便』を想起させる絵描き、『海がきこえる』の風呂ベッド、『耳をすませば』の貸し出しカード、からの天沢聖司的ストーカー体質、最高じゃないか…。

お友達いない族にとっての「一人にしてくれ」はあれですよ、9割くらいは別に本当に一人になりたい訳では無いのですよ。ただ一人でいれば誰にも迷惑かけなくて済むし、一人で好きな事に没頭してればとりあえずまだ生きていけるかななんて錯覚に陥れるし、一人でいれば誰かを傷付ける事も無ければ誰かに傷付けられる事も無いから「これでいいのさ」と顔で笑い、心の中では「寂しい…」と泣いているのですよ。

小人症故世間の自分に対する視線に敵対心を持つフィン、子供を亡くしメンタルズタボロのオリヴィア、病気の父親が気掛かりながらどこまでも陽気なちょいウザラテン系男子のジョー、そんな三人の付かず離れずの友情、一度は壊れ、そして更に強く結ばれる絆。最初は「なんやお前…」と怪訝な顔をし続けるフィンが次第に笑みをこぼし、遂にはジョーク混じりで相手を笑わせるまでに変化して行く過程で既に俺の涙腺はプルプルだし、一度は壊れてしまった関係をなんとか修復しようと執念を燃やす彼の行動力に全力応援団発動と相成る。図書館職員のエミリーたん(だっけ?)の小悪魔オーラ漂うキャラも良いし、フィンを学校に招くおしゃまなクレア(だっけ?)、覚悟のスピーチもそこで「友達とは…」とか語り出したらどうしようかと思ったけどあっさりしてて良かった。そりゃ世の中色々な人間がいて、何処までも分かり合えない奴もいれば、最初からすんなり仲良く出来る奴もいれば、最初は「無理っ🤮」と思っても慣れてしまえば大親友になってしまう奴もいる、大事なのは一人に慣れない事、一人でいる事に慣れてしまう前に誰かに「寂しい…」と言える勇気を持つ事。お節介くらいが丁度いい、大丈夫?の一言だけでもいい、人と言う字は支え合って…なんて言うつもりは無いが、人生は思ってるよりもちと長い、なら出来るだけ笑って過ごした方がいいでしょ。しみじみ良い映画った…いやぁ良かったぁ…。
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