うえの

ウォールフラワーのうえののレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
3.8
作家志望の16歳の少年チャーリーは高校進学を機にウォールフラワー(壁の花)のように目立たず静かな学生生活を送ろうとしていた。
孤独な彼の前に現れた賑やかな最上級生パトリックと彼の義妹のサムとの出会いにより、大きく変化していくチャーリーを描いた青春映画。

アメリカのスクールカースト事情を容赦なく描きつつも、カーストの上位下位関係無しに誰しも悩みやトラウマを抱えてることを登場人物の感情表現とともに繊細に描いた今作。

カースト上位の集団とすれ違う時は壁側を向いてやり過ごしたり、授業での問いに対する答えを知りつつも挙手や発言はせず、手書きのノートで回答するなどチャーリーの消極的な一面は物凄くむず痒くて序盤は観ていられないと思っていたが、
タイトル通りにダンスパーティーで立ち尽くすだけで溶け込めなかったチャーリーがパトリックやサムのダンスに感化され、不器用に近づいていくシーンを見て、我が子の成長を拝んだように感動した笑。

全体的によくある青春映画として平均的な印象の作品だったが、ボウイのHerosを爆音で流しながらトンネルを疾走する車に立つエマワトソンのシーンでその印象が激変した。
こういうワンシーン、ワンカットの美しさで全てを超越する瞬間があるのが映画の面白いところだと再確認できた。
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