次男

ウォールフラワーの次男のレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
3.6
「パロアルトストーリー」を観ていなかったら、もしかしたら少し感想も変わっていたのかな。

この感想文の結論として、「感覚的にぼくはあまりハマれませんでした」なのだけど、一生懸命理由を考えてみようと思う。


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群像劇なのか主観劇なのか定まらんくて、情報の処理が難しい。

撮り方・描き方は、チャーリーの物語。あくまで主観的に描いてるし、ワークしてる。けど、情報量は、群像劇。サムのトラウマや、パトリックの物語や、ほかのあれこれ、もう少し彼らに寄せた撮り方をしてくれたらよかったのかなあ。チャーリーの物語すぎて、「チャーリーがこれをどう見てるか」って気持ちで見てしまうから、ひとつひとつのエピソードが彼にどう働いてるのか、処理に困るものが多くて。

あれだけチャーリー以外のひとたちにドラマを持たせるなら、チャーリー独占の主観的な運びをやめて、カメラを散らばせてほしかったように思う。


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チャーリーのトラウマの真相は、サムと結ばれる前に描いてほしかった。というか、あんな勿体つける必要なかった。と思う。

チャーリーはサムに、「きみとぼくは似ている。同じ傷を持っている」と言った。そのとき、チャーリーのトラウマの真相はまだ明かされてなくて、あとから勿体つけて明かされて。え、てことは、あの告白は、彼が真相に自覚のない状態で言ったの?なんとなく、物語として、それは気持ちが悪かった。
例えば、チャーリーがパトリックの彼氏の連れを意識なくぶっ飛ばしたシーンの後。とかに、明かしてくれれば、よかったのではないかなあ。すべて受け入れて、自分を見つめ直して、自分に居場所をくれていたことを再認識して、サムのなにに惹かれたか、なにに共感したか、それを改めて、ああいう言葉で伝えてるとしたなら、サムとの青春の恋は、ぼくの中で腑に落ちる。


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これはもう好みの世界だけど、
「美しいショット」が美しすぎる。

主観性云々は前述したとおりだけど、この映画の美しいショットが、客観的に美しく描きすぎてるような気がする。ただでさえ、なんだかぜんぶ美しすぎる。
たとえば、印象的な、トンネルのシーン。サムが車から身を乗り出して手を広げて、、。ボウイのheroesがかっこよくかかって素敵なのだけど、ガッツリ魅せるワークしてて、なんだろう、「観てるぼくらに美しいと思わせるカット」に見える。あそこは、「チャーリーが彼女を(この時間を)美しいと思ったカット」でなければだめなのでは?
そんなふうに、なんだか、撮影の仕方として、もっと青春のひそやかさみたいなものがほしかったのかなあ。あくまで好みとして。


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最後にもうひとつ、チャーリーがどうしても、スクールカースト最底辺に見えねえ、、。これはお国柄とかの差かしら、ずいぶん話せるじゃないの、なんて思っちゃいました。
あ、あともうひとつだけ、91-2年の話みたいだけど、テープ以外時代感伝わらなかったお。これも文化の差かしらん。


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好きだったところ。

・自分に手紙を書くというストーリーテリング。
・国語教師とのやりとり。
・チャーリーが好きだった。友達になりたい。友達になりたくて、でも仲良くならないまま終わった、大学のときの長原くんを思い出した。長原くん、元気かな。

そうそう、あとひとつ。

・「なんで、私や私の大好きなひとたちは、ひどい扱いをするひとを選んでしまうのかしら?」「自分に見合うと思うから」