ぜん

ウォールフラワーのぜんのレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
4.3
【青春は暴力的だ。誰しも痛みを抱えているのだ】

青春映画と言えば?
と問われたら今後この作品を答えるだろう。
大人になった今だからこそ
心が痛いほど揺さぶられるのかもしれない。

近年では『ワンダー君は太陽』でも有名な監督であるスティーヴン・チョボスキーが指揮をとった作品です。

スクールカースト最下層。
唯一の親友も自殺して1人きり。
まさしくタイトルの通り「壁の花」
として誰にも気付かれない冴えない
主人公チャーリー(ローガン・ラーマン)

そんな彼が勇気を振り絞って話しかけた
陽気な上級生のパトリック(エズラ・ミラー)、そして義理の妹のサム(エマ・ワトソン)に出会ったことで一変する。

好きな相手なのに相手を思うばかりに積極的になれない。
そういう気持ちはすごく分かります。

その気持ちを代弁するようにチャーリーが信頼を寄せる国語の先生のこの言葉が一番印象的でした。

「何故、優しい人は間違った相手とデートするんですか?」
「それは自分に見合うと思うからだ」

本人も心の何処かで間違っていると思っている。
でも、自覚できずにいる。
それは自分に自信が無いという面や本当の自分を受け入れてくれる相手と出会ったことがないというのもあるのかもしれない。

経験によって痛みを伴いながら分かっていくものだと思うが、似たような経験をしたことがあるので個人的には刺さりました。

アメリカでもスクールカーストが顕在化しているが、痛みがあるのは最下層の人間だけじゃなく、上位にいる人間も痛みを抱えているということが描かれているのも良かったです。

トンネルで歌うシーンやダンスを踊るシーンそれぞれに青春が詰め込まれていました。
学生の頃好きだった歌とかって今後も忘れないんだろうな。
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