おださん

ガーゴイルのおださんのネタバレレビュー・内容・結末

ガーゴイル(2001年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

字幕、大学の上映会で視聴。
いやこっっっわいわ!!!!!(大声) エログロの極みやないかい!!! 最初の画面でR15って出てたけどR15かこれ!?? R18どころかR25でも許されると思ってしまったよ!?? 無理無理ほんま無理、今まで見てきた中で一番無理なエログロやった、後味悪いし胸糞悪いし何よりい、痛いし〜〜〜…!!😭←
順を追って述べるなら、セリフが極端に少なくて必要なことのみ喋るよう削ってる感じがして、冒頭の2人のキスから川のシーンとか雨のシーンとか無声映画か?と思うくらい全体的に静かで暗めの雰囲気で、またなんか分からんヨーロッパ系の映画かと思っててんけど()、いやむしろそれの方が良かったんちゃうかってくらいやねんけど。(遠い目) でもそんなことなく一応話の流れはわかった感じはしたなー、コレとレオンの夫婦とショーンとジェーンの夫婦2組あって、コレとショーンが同じ病気を抱えており、最終的には死を望んでいたコレは欲望を解放した直後自らマッチを擦り凄惨な現場ごと家を燃やすけど(意識的かどうかは意見が分かれるところ)、炎に包まれて死ぬ前に、家に入ってきてたショーンにより絞殺され、ショーンも欲望を抑えきれずホテルの女の子襲って殺した後に妻とアメリカに帰っていく(話をする)という…。いや性欲と食欲が結びついてるとかはよく言うけどまさかセックスした相手を噛み殺す(食い殺す?)人の話だとは思わないじゃん…。自分からは絶対に見ないようなやつだからまぁむしろ良かったけど…。
というわけでこの映画で良い意味でも悪い意味でも印象に残ったのは、お分かりの通りマジのマジに衝撃的かつ正直トラウマレベルで嫌だったセックスシーンね!← コレとショーンの2パターンあるわけですけど、コレの場合は本当に豹変して獣のようになり、相手(家に不法侵入したチンピラくん?かな?)の喉元を食い破るわけで、これがもうこっっっわい…! めっちゃ怖い、はたち超えてなけりゃ泣いてたね。最初は単に激しいキスに見えるのにだんだん狂ったようにキスと噛むのを繰り返し、相手が「やめろよ」と笑いながら制止しても聞かず、男にも焦りが見え始め抵抗が本気になっても止められず、最終的にコレは口元を血に塗れさせ、男の絶叫が響く中で声を上げて笑う…。この笑顔が本当にガーゴイル、怪物とか悪魔みたいですんごい怖かった…グロいぃ…。コレの女優さん、最初のほうは普通に綺麗で夫のレオンとキスするとことかおっぱいの谷間のとこに黒子があるのとか官能的ですごいエロくて、ほんまそのシーンがあったんでギャップも込みできつかったね…。
でも個人的にはショーンのほうがきつかった〜…!! ショーンはホテルスタッフの女の子クリステルをレイプして噛み殺すわけやけど、最初のほうからクリステルのうなじに注目しており首元アップの描写が多くて、ショーンの俳優さんの眼力がすごくてほんま容貌が犯罪者っぽいこともあり危険な感じが溢れてた! そしてラスト、清掃が終わり着替えにロッカールームへ戻るクリステルの後を追ったショーンは無理矢理彼女にキスして押し倒し、床でセックスに至るわけですが、単にレイプ()してただけかと思ったら最終的に膣を噛みちぎり食い荒らし、さらにショーンはそこにまた挿入して欲望のままに腰を振り達するという地獄のような描写を流されまして、なんか、もう、ほんっとさぁ…グロテスクの髄を尽くしたようでしたわ…。いやクリステルの抵抗の仕方と呻き声、痛みに上がる叫び声がほんっっっまにきつくて、ショーン含め俳優さんの演技として観たらそれはそれはリアルで素晴らしいねんけどもあまりにもリアルすぎて、だからこそいっっったそうで、いや絶対いったいよ、なんかコレの時よりもやっぱり女性が襲われてるからかきつさ増して感じてしまったかな…。男女で観に来てた人いたけど大丈夫? カップルだったらしばらくセックスできなくない??← (いや私はそんな余計なこと考えて現実逃避せなあかんくらいトラウマモノやったのよ)
他の方々の感想を見てたら2人を比べてコレのほうがより狂ってると仰っているのが多かった気がしたけど、個人的にはコレは完全に理性飛ばして狂った怪物として描かれていたのに対して、ショーンは病気に飲まれながらも理性のある人として描かれていたように感じたから、むしろショーンのほうが狂っているというか怖いのはショーンのほうかな、と思った…。お化けより何より結局のところ一番怖いのは人間、的な…。コレは正気失う前に「私はもう治らないわ、死なせて」って夫のレオンに言ってたし、なんせショーンは噛みちぎってたところが膣っていうのが個人的に無理すぎることもあり、ショーンよりコレのほうが人間としてできてる人というか、人としては良い人物だったんじゃないかなと思いました!
2人の病気に関しては、まぁ病気と表現するしかないわけですけど、なんとなくセックス依存症に近しいのではと感じた。本当に愛する人、すなわち妻や夫とのセックスでは自らの欲望を抑えようとするけど、結局欲望、すなわち性欲(食欲)が抑えきれなくてなんの関係もない人に襲いかかるわけなので、好きすぎて食べちゃうみたいな愛の伴ったものというよりは単に性欲に狂った怪物に成り果ててしまうという感じかな、と…。そういう意味でセックス依存症。まぁなんでそんなことになっちゃったのか、コレとショーンの関係はなんなのか、映画内で背景が全く明らかにされてなかった(と思う)のでなんとも言えないんですけど!(笑) いやレオンはお医者さんやしショーンは脳科学者?で、なんか人体実験がどうのこうのとか言うてたし多分そういう関連性なのかなと勝手に補填はできるんですけどね!(自らの病気を治そうとしたショーンがレオンに協力依頼して、その際ショーンは人体実験を進めたことによりコレに同じ病気を罹患させてしまった、みたいなね)(コレに向かって「僕のせいなんだ」みたいなこと言うてたし)(いやそれやったらコレを殺した時にお前も一緒に死ねよとは思うんですけど)
本当に不快感と後味の悪さが気持ち悪すぎたので私はこの映画を見返しはしないと思いますが()、でも本当に良い意味で衝撃的だったし、伝えたいことというか、メッセージ性がちゃんとあってそれが伝わってきたことは素晴らしかったと思うのでそこは客観的に語っておく(笑) まず原題も邦題もセンスが良くて、物語というか作品の伝えたいことなんだろうというのが一貫してたと感じられた。邦題の『ガーゴイル』は、パリが舞台ということもあり最も有名なものとしてノートルダム大聖堂のそれが連想させられてて、実際映画内でもショーンとジェーンは観光しに行ってるわけやけど、ガーゴイルの悪魔や怪物のような醜く恐ろしい姿とセックスにより人を噛み殺すという人間2人の抱えている怪物の側面が見事に重なって、2人が抱えてしまった、なってしまった怪物について考えさせられるなと思った。対して原題は“Trouble Every Day”で、怪物を抱えてしまったがゆえに生きていくのが困難な毎日を送る2人の苦悩や苦しみに焦点が当てられる。人として普通に生きられれば良かったのに、性癖といってしまえば軽くなっちゃうんですけどもまぁ特殊な性癖、病気という名の怪物を抱いてしまい、人として普通に生きられない苦しみや悲しみについて考えさせられると思った。そんでこの面から考えるとエンドロールのエンディング曲の歌詞が絶妙で、哀愁漂う切ない曲調と、おそらくサビなのだろう、「毎日苦しみが襲ってくる」的な歌詞の繰り返される言葉とがぴったり組み合わさっていて強いメッセージを放っていることに気付かされる。だから2人の狂気的な行動に理解はできないけど、怪物を抱えて生きていく毎日の苦しさや悲しみ、生きていくのに困難な毎日のつらさに少し共感をすることはできるかと感じさせられました。(生きていくのってつらいもんね)
この邦題と原題合わせて感じられることにより、人の抱える怪物とそれによりもたらされる苦しみ・悲しみ・生きるのに困難な毎日のつらさとの両方の側面から映画を捉えて考えさせられたので、ちゃんと何かを伝えててそれを受け止められた感覚があったのは良かったかな! 邦題も原題も流石のセンス! やはりフランスさんだね!!(笑)(まぁほんまはノートルダム大聖堂の火災事件がタイムリーやったんで、ぶっちゃけ美しいノートルダム描写をいっぱい味わえるんじゃないかという期待で観たんだけどね! なんだこの色んな意味で裏切られた感は?? ステンドグラスも建物の内部も映んなかったしノートルダム描写ほんま少なかったよね??)
なんか全体を通して批判的に言うてしまったかもやけど、衝撃的で印象に残ったという意味ではすごかったし、受け取ったものもそれに絡んだタイトルのセンスも個人的には好み! ただ内容に関してはほんっっっまに怖くて気持ちも後味も胸糞も悪くてエログロ狂った映画というのが一番に来てるので私には合わなかった! もう一回観たりはしない!(笑)
おださん

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