TAK44マグナム

人魚伝説のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

人魚伝説(1984年製作の映画)
3.9
池田敏春監督作のカルト映画。儚くも散ったディレクターズカンパニーの第一回作品です。
主演は白都真理。これ以上ないっていうぐらいの体当たり演技をエロとグロ、その両方で魅せてくれます。
中盤のエロエロな濡れ場は、切ないけれども興奮してしまいますね。本作の白都真理は本当に美しい。惚れてまうやろ~!

お話は、優しい旦那さんと漁にいそしむ美人な海女さんが白都真理なんですけど、旦那さんが殺されちゃうんです。
どうやら原発の利権がらみで、知ろうとしちゃいけない部分に足を突っ込んだために殺されてしまったようなんですが、白都真理は旦那さんの仇に弄ばれたりしているうちに狂気に支配され、復讐の鬼と化しちゃいます。
「悪いやつは全員殺しちゃる」と、銛を携えて、悪い政治家たちのパーティに乱入するのがクライマックスです。

このクライマックスがとにかくすごい。
なんだかすごいものを見てしまった!
明日から普通に暮らしているかしらん?と、自分の日常生活にさえ不安をおぼえてしまうほどにとんでもない大虐殺シーンが繰り広げられます!
しかも長い!
いったい何人殺すのよ?
銛を突いて突いて突きまくり!

パーティ会場へ続く一本道で、次々と襲われ血に沈む人々。
ジェイソンもレザーフェイスも真っ青の殺人鬼ぶりがビックリ仰天の白都真理は、もう全身血糊だらけ!
ビュービューと勢いよく噴出する血しぶきが、白装束の白都真理を真っ赤に染め上げてゆくのです!
一番憎々しい相手は意外と最初のほうに殺しちゃって、そんなに関係ない人まで、暴走したエヴァンゲリオン初号機のごとく、男も女も関係なく突き殺すのも衝撃的。
白都真理の目には、全員悪いやつとしか映っていないわけですね。
それにしても、たった一人の海女さんじゃこんなのさすがに無理でしょ~!と、まったく思えない白都真理の迫力と、この映画のもつ破壊力には、もうただただ平伏すしかありません!

ほとんど全員をあの世へおくったのち、白都真理は海へと逃れます。
その後の、旦那さんとの幸せを幻視するラストは涙が出るほど切なくて、海の中の幻想的なシーンがこの世のものとは思えないほど美しいです。

ほどなくして、「東方見聞録」の運の無い失敗もあってディレクターズカンパニーは解散、池田監督も不遇の末に、本作のロケ地となった海で自殺されてしまいました。
池田監督の胸中なんてわかるよしもないのですが、きっと「人魚伝説」こそが自らの拠りどころというか、自身で認める代表作だったのではないでしょうか・・・