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飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲のhorahukiのレビュー・感想・評価

4.0
5月12日公開『レザーフェイス』に向けて♫
これめっちゃ好きです!まさかのヒーロー映画で、今までとは毛色の違う田舎怖い系ホラー。

一作目の正統続編なようですが、旧シリーズは2も3も4も全部一作目の続編だし、毎回家族構成バラバラで整合性もないので、そういった違和感はすんなり受け入れられました(*^^*)

あらすじ…
一作目の事件の後、町の人たちの暴走によりソーヤー家は全滅する。その20年後(?)、主人公のヘザーは弁護士からある手紙を受け取る。それは、祖母にあたる人が亡くなり、主人公がテキサスにある邸宅の相続人になっているという内容のものだった。祖母はとっくの昔に亡くなったはずだが、両親を問い詰めると意外な事実が判明し…。

ソーヤー家は、ある種の神(悪魔)なんですよね。人間が決して触れてはいけないもの。だからこそ、一作目はソーヤー家への道のりに時間を割き、違和感や嫌悪感の積み重ねを丁寧に描写していた。それは人間が人間界を離れ神の住む領域(異界)へと足を踏み入れるための通過儀礼。

本作とは関係ないですが、5月5日のカナザワ映画祭で上映された『サスクワッチ獣人伝説』は、人間が神界へと足を踏み入れる行程を全力投球で描いた作品でした。(フィルマ登録ないので、登録してほしい!!笑)

そういった点で、本作ではソーヤー家の「神聖性」(「悪魔性」?)が地の底まで堕とされていて、シリーズ好きとしてはどうしても受け入れがたいことではあるのですが、それでも後半の怒涛の展開は拍手しかないです!そんなやり方がまだ残ってたかと。私的には、続編の中では本作が一番好き。

本作は、今までの『悪魔のいけにえ』神話に終止符をうち、新たな神話の創造をやってのけた意欲作です。まさに破壊と創造。『悪魔のいけにえ』版『スターウォーズEP8』的な。本作の方が公開先ですけどね。もしかしたらSW8は本作を参考にしたのではと思えるほど。まあ、ないでしょうが(笑)

神聖性を剥奪されたソーヤー家は、『悪魔のいけにえ』シリーズの現状そのもの。でも本作はそこで終わらせるのではなく、ソーヤー家に新たな神聖性を付与して幕を閉じる。チェーンソーを奪われる→与えられるシーンが特に象徴的。そういったところに、一作目の栄光に囚われない新たな伝説を作ろうとする製作陣の本シリーズへの強い思いと愛を感じられて、私的にはすごく嬉しかったです。

あと、大好きな演出はフーパー保安官の最後の決断。創造主であるフーパーの名前を冠しているわけだから、あのシーンは安心して見れました(笑)そして、めっちゃテンション上がった!

今のところ本作の続編が公開されてないのが凄く残念…。本作からスタートする新たな『悪魔のいけにえ』神話を見たいところだけど、やっぱり神聖性の剥奪がシリーズファンに受け入れられなかったのかな〜。私的にはアリなんですけどね。むしろ伝説の復活にはこの手しかないと思う。

というわけで『レザーフェイス』の公開が迫ってきましたね。賛否割れてるようなので若干心配ではありますが、楽しみです♫リメイク版はビギニング含めて未見なので、一応見とこうかな。
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